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「蛇の脱け殻のようなもの」の正体は…
そのかわり、休憩はしない。上を見ながら歩くと木々の生え方や高さ、空の状況で尾根が近くなってきたことが分かる。なんとなく機械油の匂いやヘリの音がしてくる。
突然、両腿が焼けてくっついた肉片が目に入ってきた。さらに進むと靴やサンダル,眼鏡、バッグ、紙切れ、1000円札、1万円札が散らばっている。歩きながらのことだから詳細に見ていない。木の根っこがあるので、足元だけを見ていたが、何げなしに上を見ると、蛇の脱け殻のようなものが木の枝に引っかかって揺れている。どうも小腸のようだ。黒いビニール状のもの、黄色いスポンジ状のクッションもあった。いよいよ現場に近づいてきたことが分かる。