「ようやく妻が死んでくれた」——現在68歳の「年金一人暮らしのぺこりーの」さんがYouTubeに初投稿した動画のタイトルだ。ショッキングなこのタイトルの動画は876万回(2025年7月時点)も再生され、その後の彼の活動を大きく後押しすることになった。
「動画を公開したら一気にコメントが1000件くらいつきました。『このタイトル、釣りじゃねえか』『嫁さんの死を金に換えやがって』みたいな辛辣なコメントも多くて」とぺこりーのさんは当時を振り返る。
しかし、この衝撃的なタイトルの裏には深い悲しみが隠されていた。妻は急性心筋炎という病気で亡くなったのだが、その後の4年間、彼は「死んだような生活」を送っていたという。
「年金ではまかなえないお金をYouTubeで稼いでいるんです」
妻を亡くした悲しみから立ち直るきっかけとなったのは、旦那をガンで亡くした女性の言葉だった。「いつまでも泣いてるのはあなただけよ。奥様はもう病気の苦痛から解放されて天国で笑っているわ」という言葉が彼の心に刺さったのだ。
「気持ちがスッと楽になって『誰かの言葉でこうやって救われるんだなぁ』と思いましたね」とぺこりーのさんは語る。それから妻との思い出を振り返るブログを始め、やがてそれをYouTubeでも発信するようになった。
現在は月約12万円の年金と、YouTubeからの収入で生計を立てている。「『なんのためにやってるんですか?』とよく聞かれますが、『お金儲けのためですよ』と即答しています。年金ではまかなえないお金をYouTubeで稼いでいるんです」と率直に話す。
「ぼーっとしてても長生きしますが、年金でもらえる金額って実は少ないんですよ。私は約12万円もらっていますが、これだけで生活するのは苦しいですよね」
ぺこりーのさんは若い世代にも「小さな財布をいくつも持っておいた方がいいよ」とアドバイスする。「絵が上手だったり、アニメが好きだったり、ゲームばかりしていたり……。『こんなことお金にならないよね』と思っていることも意識すれば少しずつお金に換えていけます」
68歳で新たな人生を送るぺこりーのさん。最近ではたまたまオークションで落札したプジョーのオープンカーで千葉の海岸沿いを走ったり、一人で「呪術廻戦」の脱出ゲームに参加したりと好奇心旺盛な日々を送っている。
「動画をしっかり見て、素晴らしいことを書いてくれる方も多いんですよ。そういうのを見ていると『社会に必要とされているんだな』とうれしくなります」と最後に第二の人生の楽しさを語った。
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