3作を観る順番は重要?
――大都会でありながら、フェリーで移動したり、川で泳いだり、オスロの知られざる横顔が登場するのも嬉しい。3部作は監督のオスロへのラブ・レターのようなもの?
監督 全くその通りだよ。特にオスロの市庁舎周辺には思い入れがある。市庁舎はポジティブな思想、慈愛を象徴した建物である点が好きなんだ。『SEX』の背景にした地区は再開発地区で、開発がいかにそこに住む人々の生活に影響するかという点を描きたかった。オスロに限らず、大都市の再開発というのはこれまで以上に貧富の格差を生んでいると思う。オスロの他の地区と比較しても、再開発地区は格差が大きい。
非常に穏やかな印象を与える監督だが、3部作には自分なりの強いこだわりがあちこちにちりばめられている。
――観る順序は重要?
監督 いいや。『SEX』『DREAMS』『LOVE』の順で完結するように作ったけど、例えばイタリアでは『DREAMS』『LOVE』『SEX』の順番で公開した。違った順番で観てもらえば、違った体験をできるから良い事だと思うよ。観る順番が違えば感想も異なるようだ。ポジティブな気持ちで見終えたいとするなら、『LOVE』を最後にすることをお勧めするね(笑)。
『SEX』
監督・脚本:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード/出演:トルビョルン・ハール、ヤン・グンナー・ロイゼ、シリ・フォルバーグ/2024年/ノルウェー/118分/配給:ビターズ・エンド/©Motlys
『DREAMS』
監督・脚本:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード/出演:エラ・オーヴァービー 、セロメ・エムネトゥ、アネ・ダール・トルプ/2024年/ノルウェー/110分/配給:ビターズ・エンド/©Motlys
『LOVE』
監督・脚本:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード/出演:アンドレア・ブレイン・ホヴィグ 、タヨ・チッタデッラ・ヤコブセン/2024年/ノルウェー/120分/配給:ビターズ・エンド/©Motlys
〔特集上映「オスロ、3つの愛の風景」は9月5日(金)より、 Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー〕
