盗撮犯たちの「おぞましすぎる手口」とは?
活動の目的について、Y氏とS氏はこう説明する。
Y氏「『痴漢や盗撮がどれぐらい起こっているのか?』『どういうやり口なのか』っていうのは、あまり知られていないことだったんです。注意喚起するために、動画投稿したって感じですね。盗撮を撲滅することはできないけど、ゼロに近づけることはできるなっていうのが本音で、活動の目的として念頭に置いていますね」
S氏「動画にすることによって、どの駅は盗撮が多いのかって女の子が気づけます。(盗撮防止のために)エスカレーターに乗るときにスカートを押さえたり、横を向いたりできる、っていうのもありますね」
確かに警察が、「今年はどこで痴漢が何件あった」と数字で発表しても、なかなかピンとこないのが正直なところだろう。実際に、Y氏たちから盗撮に関する話を聞き、筆者は衝撃を受けた。
日本は「盗撮大国」と呼ばれているほど、先進国のなかで盗撮が盛んだという。女の子の下着と顔を撮影したものをセットにしてネット上で販売したり、盗撮マニア同士で交換したりされている。盗撮に使われるカメラは、レンズが針の穴のように小型で高画質なものもあり、ネットショップで数千円で売られている。こういった実態を聞き、一気に盗撮という行為に対するおぞましさが湧きあがってきた。
そういえば、女性が入浴する露天風呂を遠方から盗撮していた一味や、客のふりをした女性が洗面用具にカメラを隠し、女風呂を盗撮していたニュースがあったことを思い出した。
スポーツ大会に出場する女性アスリートや、チアリーダーなどを撮影する人たちも問題になっていた。Y氏たちから詳しく話を聞いたことで、盗撮問題を対岸の火事としてではなく、現実的に起こっている性犯罪だと実感できたのは紛れもない事実だ。
「稼げているのはギリギリ生活費ぐらい」
フナイム氏は犯罪撲滅や人の役に立つことが第一で、目先の収益のことは意識していないと話していたが、スーパードミネーターも同じスタンスだという。
Y氏「演者として表に出ている以上、有名になりたいっていうのは正直あります。けれどお金に関しては、一山当てたいとかはない。この活動で稼げているのはギリギリ生活費ぐらいなんですよ。
見合っていないっていうのが正直な感想で。でも、何があっても止めないって言ってるんですよ。収益がゼロでも、ボランティアだろうが何だろうが、ほかで頑張って稼ぎます」
ただ、ギリギリとはいえ、YouTubeの広告収入のみで何とか生活費を捻出できているからこそ、活動に打ち込めている。彼らにとってはそれが最も重要だという。あくまで盗撮撲滅が第一。お金持ちになりたい、贅沢をしたい、などという気持ちはさらさらないという。
けれど、やはり疑問は残る。なぜわざわざ、そこまでして活動に打ち込むのか?
