「旦那も出役の人なんです」
――いっときは、仲間由紀恵さんや小池栄子さんのような女優さんに憧れているとおっしゃっていましたが、お芝居への情熱も未だに熱いままですか?
紗綾 あることはあるんですけど……。実はこれ、初めて言うんですが、旦那も出役の人なんですね。隠しているというわけでもなく、いずれ機会があったら公表しようかなと思っていたんですが。私なんかよりずっとメジャーなドラマに出てきた人で、芝居への向き合い方、取り組み方がものすごくストイックなんです。
彼のその姿を見ていたら、「私、全然だめだったな」、女優なんてやっていける感じがしないって思ったんです。俳優の仕事を諦めたわけではないけど、以前よりずっと、中途半端な気持ちでやるのは申し訳ないと思うようになりました。
育児や養育について発信をしていきたいけれど…
――子どもの頃から、何かにチャレンジしたいという強い思いで、辛いことも乗り越えられてきたと思うんですが、デビューから20周年を迎えた今、そういった思いはお持ちですか。
紗綾 旦那のお母さんが乳幼児の発育、教育に関しての専門家で、幼稚園の園長先生をしています。だから私も、結婚して子どもが生まれる前からいろいろ教えてもらい、頑張って勉強もしてきました。新生児の頃から子どもに対して気持ちのつながりを持ち、なでたり、マッサージをしたり、くっついたりすることをアタッチメントというんですが、それによって、脳の発達が促されたり、運動神経が良くなったりすることがあるらしいんです。
そういったアプローチの方法を実践しながら、子育てをしてきました。昔は、今の私のように、子育てを経験したお母さんからその方法が受け継がれていったと思うんですが、今のママたちはSNSで一生懸命調べながら子育てをしている人も多いんです。ネットにある情報が正しいかどうかは、調べるのも難しいですよね。だから、なかなか情報にありつけない方に、正しいことを伝えていくようなコンテンツの制作などをやっていきたいなと思っているんです。
――では俳優の仕事というより、今はこちらの仕事を積極的にやっていきたいという。
紗綾 子どもも幼稚園に通いはじめましたし、自分の時間もできたので、もっとこういう活動や発信を頑張っていこうと思っているところです。この先、東京でも仕事をしていきたいので、東京で新規の仕事を開拓してくれるマネージャーさんを探しています。これからは今までとは違う自分も見せていきたいなと思っていますね。
写真=原田達夫/文藝春秋
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