――原因はあったんですか?

西元 価値観が周りとズレていて、クラスで浮いていたとは思うんです。決定的だったのは、クラスで夏休みに流行っていたチェーンメールを回すのを私が拒んだことでした。

 次の人に回さないと不幸になる系のチェーンメールでしたけど、集団行動が苦手だし、絶対に回したくなかったんです。その理由から、夏休み明けに「おはよう」と挨拶したら誰も反応してくれなくなり、空気のような扱いになってしまって。でも、1ヶ月ほどはイジメだと気づかなかったです。

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仲のよかった子が「明日から西元を無視しよう」とみんなにメールを送り…

――自分で気づくきっかけがあった?

西元 はい。仲のよかったグループのリーダー的な存在で、クラスもまとめていた子が「明日から西元を無視しよう」というメールを、みんなに流していたのを知ったんです。私がイジメられるとは思っていなかったし、ハブられた経験もなかったので「なんで、私が?」とビックリしました。

 

――事実を知るのは、ショックも大きいですよね。

西元 そうですね。当時はクラスにいづらくなってしまったので、休み時間には他のクラスに逃げていました。

 でも、私が「ヤバい奴」みたいな噂が学年に広がると誰もしゃべってくれなくなってしまって、陸上部に行けなくなり、保健室登校になったんです。カースト上位だったはずの自分が、超陽キャから超陰キャに転げ落ちた中学1年生の2学期は本当、人生のどん底でした。

母親にイジメを打ち明けたら「死ぬしかなくない?」と…

――イジメられていると、家族には打ち明けていたんですか?

西元 はい。でも、打ち明けられるまで1年ほどかかりました。元々、学校で「誰々クンが気になっている」とか、気さくに話せる仲ではあったんです。

 そんな関係だからこそ、真剣な話となるとなかなか言い出せなくて。ようやく勇気を出したのは中学2年生で、2週間ほど「風邪」だと嘘をついて、ズル休みをしていた時期でした。

 

――お母さんには、何と言ったんですか?

西元 素直に「イジメられていて、学校に行きたくないんだよね」と言いました。でも、重く受け止めてもらえなかったのか「そんなんで学校に行けないなら、死ぬしかなくない?」とあっさり返されたんです。

 打ち明けるまで1年もかかったのに「そんなんじゃ生きていけないよ」とも言われて、返す言葉もなかったです。