――この映画を撮影された当時、ジュディさんは20歳。どんな時代でしたか?
ジュディ とにかく忙しかったです。学業と、ドラマや時代劇、映画、それにテレビ番組の司会もやっていました。それらが凝縮された年齢でしたね。
16歳から25歳までは、本当に年中、日本と台湾を行ったり来たりしていました。移動の車の中で、仮眠を取ったり台本を読んだり、学校の勉強も食事もして。ふっと目が覚めると日活のスタジオの前だった、というようなイメージです。でもね、楽しかったの。一つひとつがみんな、楽しかった。
何と言っても、20歳ですからね。そうそう、私は10代のころ、石原裕次郎さんにずっと「キングコング」と呼ばれていたんです。私が初めてテレビに出た時に共演した芦川いづみさんを、裕次郎さんは実の妹のように可愛がっていらした。隣にいた私に「そのちっこいのは何だ」と興味を持たれて、名前が「オング」ということで、「キングコング」になったみたいです(笑)。それからずっと「キングコング」と呼ばれていたんですが、この『万博追跡』を撮ったころに、裕次郎さんが「もうレディだから、ちゃんとジュディと呼ばないといけないね」っておっしゃったのを覚えています。
――今回、この映画が美しくリマスターされ、日本で初めて上映されることについてどうお感じでしょうか。
ジュディ 1970年に大阪で初めて万博が行われた時の映像を、今回の万博に合わせて上映していただける。しかも、各パビリオンの色を鮮やかに、まるでそこに入っていくような形で綺麗に処理してくださった映画をこの時に見ることができるのは、本当に私としては大変に光栄です。ぜひ、多くの皆様に見ていただきたいですね。
『万博追跡』(2Kレストア版)
2025年(オリジナル版1970年)/台湾/97分/監督:リャオ・シャンション/© 2025 Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved./第21回大阪アジアン映画祭にて、8月29日(金)・9月2日(火)に上映予定。

