「占拠」シリーズが新たな代表作に
そんな比嘉の代表作の一つに数えられる「占拠」シリーズは、良い意味でB級感のある作品だ。例えば、『大病院占拠』で比嘉演じる裕子が窓から落下しそうになったところを間一髪で武蔵が助け出すのだが、タイミング的に明らかに間に合っておらず、視聴者からツッコミが相次いだ。そんなところも含めて視聴者はご愛嬌と言わんばかりに楽しんでいるきらいがある。
だが、一方で役者の演技は本格的であり、特に比嘉の安定感ある芝居が作品の土台を強固なものにしていると言っても過言ではない。今回の『放送局占拠』は裕子がスタジオにあるセットのオペ室で負傷者の手術をする“見せ場”が多め。敏腕外科医として説得力のある鮮やかな手つき、冷静ながらも鬼気迫る表情が物語の緊張感を高めてくれている。
第5話では、裕子の弟で、武蔵と同じく警察官の伊吹裕志(加藤清史郎)が妖のリーダー・般若の正体であることが判明。5年前、恋人が犯人に仕立て上げられた末に自殺した事件の真実を暴くために伊吹は妖に加わったのだった。
真実は武蔵の手によって明らかにされたが、伊吹の目的はそれだけではないようだ。今後はますます裕子が弟への愛情と、自身の持つ正義感との間で揺れ動く姿も見どころとなってくる。
比嘉は今年でデビュー20周年を迎えるとともに、1月に18年間所属していたライジングプロダクションを退所し、3月に株式会社コンテンツ・スリーに移籍。その理由について比嘉は自身のSNSで「20年前に上京して来た時の様に、新しい世界に挑む様な気持ちで、新しい挑戦をしてみたいと思うようになりました」と語っている。
今の自分に満足することなく、貪欲な姿勢で芸能界を生きる比嘉が今後どのようなキャリアを築いていくのか、引き続き注目していきたい。
参考資料
※1 https://bunshun.jp/articles/-/58367
※2 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/7bc62202b66f2bdbcce17fc3dc2c0604af98727e
