元子役タレントの細山貴嶺さん(30)が、テレビで活躍していた裏で壮絶ないじめを受け、自殺未遂まで経験していたことを明かした。「太いけど細山です!」のキャッチコピーとお坊ちゃまキャラで人気を博した細山さんは、その後慶應義塾大学を卒業し、ゴールドマン・サックスに入社。現在は動物医療の会社を立ち上げるなど、波乱に満ちた人生を歩んでいる。

 細山貴嶺さん ©文藝春秋

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「デブ」「臭い」「死ぬ」といじめられた学生時代

 幼少期から芸能活動をしていた細山さんは、小学生の頃に通っていたインターナショナルスクールで激しいいじめに遭っていた。「小学生の時からずっと『デブ』と言われていましたし、中学ではそれだけにとどまらず、『臭い』とか『死ね』とか」と当時を振り返る。

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「おかげで当時は消臭スプレーをおかしいくらいずっと全身にかけていました。ノイローゼだったのかなと思います」

子役時代はお坊ちゃまキャラが人気を博していた(写真=本人提供)

いじめはエスカレートし、自殺未遂にまで追い込まれ…

 いじめはエスカレートし、自殺未遂にまで追い込まれた。ところが学校側は「いじめられる側が悪い」という姿勢を取り、細山さんに自費でカウンセリングに通うよう指示。最終的には「やめろとは言わないけど、あなたはうちの学校には合わないのでは」と言われ、退学せざるを得なくなった。

「いじめっ子たちはエリート家庭の子が多く、寄付も何百万単位でしてるようだったので、推測に過ぎないんですけど、お金や力のある家庭の方を守ったのかな」と細山さん。いじめはその後の学校でも続き、「いじめによって、『周りの人たちは自分のことが好きではない』という前提が出来上がってしまった」という。

子役時代の細山さん(写真=本人提供)

計40kgのダイエットに成功→転校生に間違われたことも…

 転機が訪れたのは中学3年生の時。特別番組で泉ピン子さんと髭男爵の山田ルイ53世さんとダイエット企画に挑戦し、1カ月で108kgから98kgまで減量し、10kgのダイエットに成功。「その後も独自にダイエットは継続した」と細山さん。高校1年の夏休みには「毎日2時間走って、あとはレタス1枚だけ食べるみたいな、めちゃくちゃなダイエット」で、さらに30kgを落とした。

「30kg痩せたし、眼鏡からコンタクトに変えたこともあって、『貴嶺の席に知らない転校生が座ってる!』と話題になりました」

ダイエット後には性格も変化したという(写真=本人提供)

慶應義塾大学卒業後、ゴールドマン・サックスに入社

 慶應義塾大学卒業後は芸能界を引退し、ゴールドマン・サックスに入社。「さすがにゴールドマンの内定をもらったときは上がりました(笑)」と当時を振り返る。金融業界での経験を経て、現在は動物医療の会社を立ち上げたばかりだという。

「小さい時から動物が好きで身近にいましたし、高校時代は獣医師になることも真剣に考えてたんですよね。なので今は究極、一番本当に好きな動物に関わるところにやっとたどり着けたんじゃないかな」

 いじめられた経験から、「声なき声を掬っていくこと」に使命を感じているという細山さん。波乱に満ちた人生を経て、ようやく自分の進むべき道を見つけたようだ。

30歳になった元人気子役“細山くん”こと細山貴嶺さん ©細田忠/文藝春秋

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