「会社のガバナンスが機能不全に陥っている。社内は空中分解の状態です」

 こう危機感を露わにするのは、「亀田の柿の種」や「ハッピーターン」などで知られる亀田製菓(新潟県新潟市)のあるベテラン社員だ。「機能不全」の背景では、同社の創業家や、かつて経営手腕が問われた三洋電機の御曹司である実業家の思惑が複雑に絡み合い、経営トップの座をめぐる神経戦が繰り広げられているという。

社外取締役を警戒する前会長

三洋電機の”御曹司”井植氏 ©時事通信社

 現在、亀田製菓で社外取締役を務めているのが、三洋電機創業家の井植敏雅氏(62)。パナソニックに買収される前の三洋電機の代表取締役社長や、LIXIL副社長などを歴任したことのある実業家だが、

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「経営のガバナンスが揺らぐ中、社内では、井植氏が次の会長か社長の座を狙っているのではないかと見られています。何より、それを最も警戒しているのが、亀田製菓の前会長で長らく独裁体制を築いてきた田中通泰前会長CEO(79)なのです」(同前)

「独裁」といわれた田中前会長 ©時事通信社

 日本を代表する米菓メーカーに、いま、一体何が起こっているのか。

 現在配信中の「週刊文春 電子版」では、亀田製菓のガバナンス不全が露わになった「炎上騒動」や、井植氏と亀田製菓の創業家の蜜月に加え、田中氏、創業家の常務、井植氏が直撃取材に語った内容などを詳報している。

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