「ノーブラ=エロい、だらしない」ではなく、日常の選択肢に

 家族の前でさえも、ノーブラでいるのは気が引ける——そう感じる女性が多い背景には、「ノーブラ=エロい、はしたない」といったイメージが一部で流通しているからかもしれない。

 例えば、有名人がノーブラで公の場に登場すると、男性読者の関心を引くようなタイトルで、バストトップが目立つ写真をメディアが報じる。また、YouTubeでは「ノーブラ散歩」というハッシュタグが話題になっていて、ノーブラの女性が胸元をアップにして野外を歩く動画が多数投稿されている。視聴者の気を引き、再生数を稼ぐのを目的とする動画も多いと見られる。

YouTubeで「ノーブラ散歩」と検索すると、数多くの動画がヒットする

 こうした状況が「ノーブラ」という言葉に染み付く“エロ”のイメージを助長し、女性たちの行動に影響している可能性はありそうだ。no-buが商品を販売するに当たっても、障壁になっている側面があるという。

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「no-buではブランドコンセプトとして『ブラレスウェア』という言葉を作ったのですが、それでは商品のイメージが伝わりにくく、公式サイトや広告で『ブラレスウェア』と『ノーブラ』の表現を使い分けています。ただ『ノーブラ』という言葉に対し、SNSではネガティブなコメントが寄せられたり、インターネット検索では製品と全く関連性のない『ノーブラ散歩』の動画が表示されたりすることもあります」(榊原氏)

ノーブラという言葉に根付くイメージの影響で、プロモーションの難しさを感じることがあるという 写真提供:キャンプ

「ノーブラは、単純にブラジャーを着けていないだけのこと。なぜエロいものと捉えるのか」と2人は疑問を口にする。

「no-buを通じて、『ノーブラ=いやらしい、だらしない』と連想されるのではなく、『ノーブラで過ごす選択肢もある』という認識が広がればいいなと思います。日々不満を感じながら窮屈なブラを着け続けるのではなく、シーンや気分によってブラを着ける・着けないを気軽に選べたら、女性たちの生活がもっと快適になるはずです」(榊原氏)

 そう遠くない未来、日本でもノーブラが当たり前の時代がやってくるかもしれない。
 

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