晴奈さんが対応した警察官に地図を示し、「このホテルで強姦されました。コンドームは付けてもらいました。裸の写真も撮られました」と説明しているのを聞いて、母親は卒倒してしまった。
「これから捜査が朝方までかかるので、お父さんとお母さんはいったん自宅に戻られてお休みください」
晴奈さんは女性警官に付き添われて病院へ行き、会陰擦過傷で全治1週間のケガと診断された。当然ながら、両親は一睡もできなかった。
犯人の正体は……
その後、警察は防犯カメラの解析などから犯人を割り出したが、その正体を知ってさらに衝撃を受けることになった。隣県の警察本部に勤める現職警官の小笠原堅(35)だったからだ。調べに対し、小笠原は「仕事も家庭もうまくいっておらず、ストレスを抱えていた」などと供述した。
小笠原が犯行に至るまでの経緯はこうだ。
小笠原は26歳で結婚し、事件の5年前に長女、1年前に長男を授かったが、長男がアレルギー体質だったため、妻が育児ノイローゼになった。
小笠原は「両親が二世帯住宅を作って一緒に暮らさないかと言っている。家事や育児も助けてもらえるんじゃないか」と言って同居を始めたが、今度は嫁姑問題が勃発。小笠原は離婚を迫られるようになり、ますますストレスがたまった。
小笠原はストレス解消のため、通勤電車内で盗撮行為を始めた。カバンの中にスマホを仕込み、スカートの丈が短い女子高生の足の間に置いておくのである。その動画をパソコンに保存し、自分で編集して楽しんでいたが、今度は女子高生をレイプしたいという欲望が高まり、その妄想を脚本化してメモに残していた。
【犯人が残したメモ】
・いい人オーラを出す
・声かけ説得30分
・近くに交番がない
・ラブホテルがある場所
・プレイ2時間
・改札口一つの駅
・地下鉄はダメ
・対象はトロくてボーッとしている
・イヤホン姿
・頭悪そう
・ゆっくり歩く
・スカート長すぎず
・髪の毛をまとめている
事件直前、小笠原はパトカーで事故を起こしたことなどから、降格処分を受けていた。ストレスがピークになり、かねてから計画していたレイプを実行しようと決断。ガムテープ、カッター、ローションなどをカバンに詰めてターゲットを探した。
