2015(平成27)年におきた凶悪犯罪。18歳の女子高生を強姦した犯人は、なんと現役の警察官だった。男はなぜそんな暴挙に出たのか? 事件の顛末をお届けする。なおプライバシー保護の観点から本稿の登場人物はすべて仮名である。(全2回の2回目/最初から読む)

写真はイメージ ©getty

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「静かにしろ、抵抗したら殺すぞ!」

 事件当日、電車でたまたま犯人の前の席に座っていたのが、被害者の水木晴奈さんだった。(現役の警察官で犯人の)小笠原は晴奈さんを追ってフラフラと電車を降り、駅前のスーパーで買い物中の晴奈さんの顔やスカートの中を盗撮した。

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「すみません、私は盗撮を防止する仕事をしている者です。あなたがこのような被害に遭っています」

 小笠原は外に出たところで晴奈さんに声をかけ、自分が撮った盗撮画像を見せた。晴奈さんは絶句した。

「他の方にも皆協力してもらっています。協力してもらわないと、あなたの個人情報が流出してしまいます。事が事なので、他人に聞かれないように静かなビジネスホテルで話しましょう」

 小笠原は「謝礼も払う」と畳みかけ、「被害者と分からないようにマスクをしてジャンパーを着てください」と言って、用意していたマスクとジャンパーを渡し、一見、ビジネスホテルに見えるようなラブホテルに晴奈さんを連れ込んだ。

 ところが部屋に入った途端、小笠原は態度を豹変させ、晴奈さんの両肩をつかむとベッドの上に押し倒した。

「何をするんですか?」

「静かにしろ、抵抗したら殺すぞ!」

 小笠原は馬乗りになり、顔面にカッターナイフを突きつけてきて、「騒ぐな!」と言いながら、何度も腹を殴った。晴奈さんはガムテープで両手首を後ろで縛られ、身動きが取れない状態にされた。男は晴奈さんを裸にして、行為に及んだ。

「お前、処女か?」

「はい……」

「大丈夫、痛くないようにしてやる」