西島秀俊はなぜプロフェッショナルでジェントルマンか

――なるほど。西島秀俊さんについてもお伺いしたいのですが、ルンメイさんは西島さんを「プロフェッショナルでジェントルマン」と表現されていますが、具体的にどんなところでそれを感じたのかを教えてください。

©Roji Films,TOEI COMPANY,LTD.

グイ・ルンメイ 西島さんと今回共演できたのは、本当に光栄なことでした。西島さんはいつどんな場面でも完全に準備万端な状態で現場に臨んでいます。我々役者は準備が十分であれば、非常に柔軟性を持つ演技ができるものです。だから私は現場では、まるで西島さんが作ってくださった広大な遊園地に入ったような気がして、そこで思う存分遊んでいればいいんだと思いました。つまり、私が何をやっても、彼は間違いなく全て受けとめてくれる。しかも、受けとめるだけでなく、スポンジのように吸収して、また返してくれる。だから、西島遊園地に入ってしまったような気がするわけなんですよね。

 それに加えて、西島さんは内面の気持ちを表現する力が非常に強くて、エネルギーが沢山ある。だからセリフを言う時の力がすごいんです。私は時々、彼の声だけを聞いていても、そのセリフからすごく力を感じて感動するということがありました。そういうところにプロフェッショナルを感じましたね。

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 ジェントルマンを感じたのは、私が監督とあるセリフの言葉遣いについてちょっと議論をしていた時、隣にいた西島さんが監督に向かって、「この言葉遣いが、ルンメイさんが演じていて快適ではないと思うのであれば、彼女の気持ちを最大限に尊重するべきです」と提案してくれたことです。私はその時、すごいと思いました。自分のことだけじゃなくて、相手役についてもとても包容力があって、何よりいい芝居を作ろうと一生懸命だからこそ、監督にも提言することができる。そういう意味で、すごくジェントルマンなんです。

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本当に好きだという気持ちで臨みたい

――最後に、ルンメイさんが今後役者として目指しているものを教えてください。今までも『鵞鳥湖の夜』など素晴らしい映画にたくさん出ていらっしゃいますが、今回のように国際的なプロジェクトへの意欲もありますか?