誰にも相談できない状況をどう防ぐか

 小学4年生のなるみは、周囲の大人に相談できず、自分がどう行動すべきかもわからないまま、次第に追い詰められていく。このような状況を未然に防ぐために、何ができるのだろうか。

「親や学校が電話やメール、SNSなどの適切な相談先の窓口を子供に教えておくことも一つの手だと思います。

 子供は知らないから相談できないだけで、知っているだけでも何割かはそこに助けを求めることができるのではないでしょうか。窓口に連絡してもお金がかからないことや、親が関与しなくても相談できる、秘密が守られるということを安心させながら情報を伝えていくことが大事だと思います」

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『10歳で性被害にあいました 誰にも相談できない』より

 家庭内での日常的なコミュニケーションの場づくりも重要だ。

「日々の親子のコミュニケーションでいきなり伝えることは、なかなか難しいですよね。今はコミックエッセイだけでなく性教育の絵本、漫画などいろいろな本が出ています。そういった本を一冊子供に渡して、一緒に読んでみるのも、良い方法の一つだと思っています。

 話してはいけないことだ……という雰囲気を変え、『家庭でもこういう話をするのが普通だよ』という、相談ができるような場や空気づくりが大切ではないでしょうか」

『10歳で性被害にあいました 誰にも相談できない』より

 読者からは「私も経験しました」「誰にも相談できなかったんです」といった反応が多く寄せられているという。「性的に嫌な思いをされた方は想像以上に多いなと感じました」と間さんは語る。

「こういったセンシティブな内容は人に話せないとか、場合によっては引かれてしまうのではと思って話せない人もたくさんいると思います。

 つらい気持ちになることもあるかもしれませんが、そういった経験をされた方に少しでも読んでいただき、『今なら自分が助けてあげることができるかもしれない』と、困っている方を助けてあげられるような人が少しでも増えることを願っています」

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 この漫画の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。

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