――都合よく使うためにはお金が必要、ということですか。
ユミ その担当はめっちゃ売れてる人で、オーラがあって、仕事に対してすっごく意識が高かったんです。それを見ていると、私も稼ぐために頑張りたいと思ったし、この人をお手本にしたら好きになってくれるんじゃないか、と。それにホストクラブは、メン地下みたいに現場に通い詰めなくてもいい。
――一般的には「ホス狂い」と言うと、ホストクラブに通い詰めているようなイメージがあります。
ユミ ホストクラブって、1カ月に1回しか店に行かなくても、そこで1000万円使えばその人がエース(もっとも貢献度の高い客)になれるんです。メン地下みたいに全通(公演日すべてに通う)しなくてもいい。だからメン地下に通っていた頃よりも時間ができたし、その時間を使ってどうやって効率よく稼ぐかをめっちゃ考えてた。ホストクラブに通い始めたことで、どうやったらより稼げるかを考えるようになったんです。
「一番頑張っていた時期は、メンエスに週5で出勤して月100万くらい」
――どのように稼いでいたんですか?
ユミ 一番頑張っていた時期は、メンエスに週5で出勤してアベ(アベレージ/1日平均)6~8万。月でだいたい100万くらいですね。当時はコロナ禍でソープとかの店舗型は閉まってたから、メンエスがめっちゃ流行ってた。あとは出稼ぎに行ってました。
所属する風俗店とは別の地域へと、泊まり込みで働きに出かけることを「出稼ぎ」という。移動手段や宿泊先は業者が用意する。歌舞伎町近辺に住んでいたユミさん(仮名)さんは、静岡や神戸などの地方都市へと出稼ぎに行ったという。
――夜職の出稼ぎは、実際に稼げるんですか?
ユミ 東京は店も女の子も多くて、需要と供給が合わないんですよ。それに東京でお金を持ってる人って、六本木とかにいるすごい綺麗な高級デリの人を好む。でも地方ではあんまり綺麗すぎる子だと、お客さんが「東京の子だー」って気後れしちゃうのか、あんまりウケないんですよね。地方でウケる子はあんまり化粧っ気がなくて、若干素朴っぽい子。最初の頃のAKB48のコンセプトみたいな、そういう子は地方のほうが稼げる。私も地方のほうが稼げるんです。
――世間的には「女性は風俗で楽に稼げる」という人もいますが、それについてはどう思いますか?
ユミ でもちゃんとした額を稼ぐには、1日15時間待機とかしてるから、そんなに楽ではないと思う。
――お金を稼ぐために、他にどんな方法を使ったんですか?
ユミ Fantia(動画、写真、イラストなどを投稿できる創作物投稿プラットフォーム)を使ったり、個撮(カメラマンとモデルが1対1で行う個人撮影会)もやりました。個撮はパパ活の延長でやってて、普通に撮らせてる子も多いみたいですね。
――なんでもやってますね。
ユミ なんでもやりましたよ。裏引きもしましたし。
