ホストクラブの高額な支払いを巡って女性客がトラブルに巻き込まれる事件が相次いでいる。今年6月には改正風俗営業法が施行されたが、業界が大きく変化した気配はない。

 自身もホストに合計2000万円を費やしたユミさん(34・仮名)は、かつては月に250万円を稼ぎ出し、ホストに“貢いできた”1人だが、「推し活にお金を使うことには抵抗がなかった」「後悔はないし、お金を無駄にしたとも思わない」と語る。一見すると、どこにでもいそうな女性のユミさん。彼女がホストにハマった理由、そして月250万円もの大金を稼いだ驚きの方法とは――。

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ユミさん(仮名)

――ユミさんはホストが人生で最初の「推し」ですか?

ユミ 私の最初の推しはジャニーズでした。もともとお母さんが男性アイドルの追っかけで、「ジャニーズならお母さんも行きたいから払ってあげる」ってお金を出してくれて、コンサートに一緒にいってました。NEWS、Hey!Say!JUMP、そのあとはジャニーズJr.。だから遺伝というか英才教育というか(笑)、生まれたときから今まで、アイドルとか他人に貢ぐ行為を否定されたことがないんですよね。中高生くらいからはジャニーズに飽きて普通に恋愛もしてたけど、推し活にお金を使うことには抵抗がなかったです。

 専門学校を卒業後に就職するがほどなくしてソープランドで働くようになり、その後はメンズエステに在籍するようになった。そうした折に、メンズ地下アイドルの現場に通うようになる。

「個人的には、メン地下って分岐点だと思うんですよ」

――メン地下に通うようになったきっかけは?

ユミ もともとアイドルの現場に行くことは嫌いじゃなかったし、「イケメンと握手できるなら行きたい!」って。私が行き始めた頃って、まだメン地下が出始めの時期だったんですよ。新大久保のライブハウスでライブをやってて、チェキも1枚500円ぐらい。でもメン地下って、いちばん中途半端なんですよね。

――中途半端?

ユミ “推しとヤリたい”とか“恋人っぽくなりたい”みたいに、近い距離感の濃い接触を重視する子はホストに流れるし、逆に「演者も客も全員の顔が分かるような、小さい規模感でお金使っても、全然特別感がない」って思う子は、もっと人気なジャニーズとかのアイドルに行くので。

――なるほど。

ユミ メン地下って物販もライブも“丸見え”で、推しが“被ってる”子が誰で、その子がいくら使っているのかもわかっちゃうんですよ。だから、その中で「自分が一番だ」って思えるかどうかが大事なんです。

 個人的には、メン地下って分岐点だと思うんですよね。ホストに行きたいのか、それとも大勢のファンの中の一人でいたいのか。そこで女の子の価値観が決まる。

 “1万人の中の1人として指をさされる”のがいいのか、“ライバルの数人を押しのけてお金で全部買う”のがいいのか。それは価値観の違いだから、どっちが正しいとかじゃないけど。