オーディションでの逸話からもわかるように、デビュー当初に演じることの多かったお嬢様的な役柄に反して、本人は自他ともに認める負けず嫌いで、「サバサバしているタイプの人間」と語っている。ドラマ『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(2015年、フジテレビ系)で共演した松坂桃李は「男っぽい人」と評していた(産経新聞 2015年10月20日)。

芸能界入りに母親は猛反対

 幼少期は母子家庭で、厳格な母親に育てられてきた。明るく活発で、木のてっぺんでビワをかじっているような中学生だったという(『土曜スタジオパーク』2019年8月31日)。「母子家庭で男性に頼る半生じゃなかった」とも振り返っている。

 芸能界入りに母親は猛反対したが、「反抗期にはちゃんと反抗してきたタイプ」(週刊女性PRIME 2018年11月9日)と語る木村は、母親を説得して半ば強引にデビューを決めた。親の言いなりだった『愛の、がっこう。』の愛実とは正反対である。

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『愛の、がっこう。』公式Xより

デビュー直後の挫折、持病の悪化で休業も…

 念願のデビューを果たした木村だが、すぐに挫折が待っていた。仕事はほとんどなく、鳴かず飛ばず。理由は明確だった。芸能活動に本気で取り組まなかったからだ。後に「あのころは仕事に責任を負う覚悟がなかった」と振り返っている(サンケイスポーツ 2015年5月2日)。

木村文乃ファースト写真集『ふみの』(2013年、ワニブックス)

 2008年にはNHK連続テレビ小説『だんだん』で三倉佳奈演じる主人公のライバルの舞妓役に抜擢されたが、本番を待っている間に緊張のあまり吐いてしまったこともあった。