きょう最終回を迎えるドラマ『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)でヒロインの女性教師を演じている木村文乃(37)。

フジテレビ系ドラマ『愛の、がっこう。』(番組公式Xより)

 高校在学中にオーディションでデビューを掴むも仕事が増えない期間が続いた。活動休止、アルバイト生活も経験した彼女がブレイクしたきっかけは……。(全2回の2回目/はじめから読む)

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事務所移籍が最大の転機に

 木村が「最大の転機」と語るのは、23歳のとき、現在の所属事務所トライストーン・エンタテイメントにスカウトされたことだ。

 これまでは仕事で関わった大人たちに疑いの目を向けていたが、社長の山本又一朗氏に「やるからにはトップを目指せ」と叱咤された木村は、年齢や立場を超えて正面から向き合ってくれた山本氏を見て、「この人となら、自分を変えられるかもしれない」と感じ、仕事に取り組む姿勢を大きく変えたという(『YELL』前掲)。

2022年、ベネチア国際映画祭での木村文乃 ©時事通信社

 ちなみに山本氏は1970年代から映画プロデューサーとして活躍しており、『太陽を盗んだ男』、『がんばれ!! タブチくん』などのヒット作を製作している。近藤真彦が中森明菜の遺体を盗み出し、明菜が耳なし芳一に案内されて霊界を旅する怪作『愛・旅立ち』も山本氏のプロデュース作である。2023年にはトライストーン・エンタテイメントの社長を小栗旬に譲って話題を呼んだ。

「25歳で芽が出なかったら辞めようと思っていた」

 事務所移籍後、化粧品や桑田佳祐と共演したNTTドコモのCMなどで知名度を上げた木村は、朝ドラ『梅ちゃん先生』で落ち着いた看護師・静子役を演じたのをきっかけに、数多くのドラマ、映画に出演する。「25歳で芽が出なかったら辞めようと思っていた」ので、ギリギリ間に合ったわけだ。

映画『イニシエーション・ラブ』完成披露試写会での木村文乃(2015年公開) ©文藝春秋

 多忙な日々を送るようになったり、順風満帆そのものに見えた。2015年の『マザー・ゲーム~彼女たちの階級~』(TBS系)で初主演を務め、『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(2015年、フジテレビ系)では濃厚なキスシーンを演じたほか、ミニスカポリスの格好で拘束される場面なども熱演した。大河ファンタジー『精霊の守り人』(2015年、NHK)でも重要な役を演じ、主演の綾瀬はるかとの入浴シーンも話題になった。