生真面目過ぎる女性教師とディスレクシア(読み書き障害)のあるホストが「禁断の愛」を交わすドラマ『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)が最終回を迎える。

 これ以上ないくらいハマっているホスト・カヲル/鷹森大雅役のラウール(Snow Man)を全編にわたって引っ張っていたのが、女教師・小川愛実を演じた木村文乃だ。

最終回を迎えるドラマ『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)

 木村が演じた愛実は、今にも折れそうなぐらい張り詰めていて、息苦しくなるぐらいピュアで、大人として常に一線を引いているけど、ちゃんと相手に寄り添える女性。第1話の冒頭では、コートを着たまま海へダイブするという体当たりシーンで視聴者を驚かせた。

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 1987年生まれの37歳。映画化もされた人気ドラマ『七人の秘書』(2020年、テレビ朝日系)で主演を務めるなど、数多くの映画、ドラマで主演級のヒロインを演じてきた。彼女には、透明感と清潔感があって、親しみやすくて、どこかさっぱりしたイメージがある。つまり好感度が高い女優だと言えるだろう。

デビュー作オーディションで「私を選ばないと後悔しますよ」

 初主演ドラマは女優デビュー10年目という「遅咲き」。そこまでの道のりも、そしてその後も、決して平坦なものではなかった。

木村文乃。当時16歳で受けたオーディションでデビューを掴んだ〔2015年撮影〕 ©文藝春秋

 デビューのきっかけは高校在学中の2004年に受けた映画『アダン』(2006年公開)のオーディション。3000人超の中からヒロインに選ばれた。審査で「私を選ばないと後悔しますよ」と啖呵を切ったエピソードはよく知られている。