「全ての大人を疑っていた」

 周囲の大人への不信感も募っていた。「自分の意に反して事を運ばれて、嫌な思いをした経験が度々あった」ため「全ての大人を疑っていた」という(『YELL』2021年夏号)。

 その後、持病のアトピーが悪化。カメラの前に立つことができなくなり、休業に追い込まれた。おそらくストレスが原因だろう。

ファミレスやチラシ配り、アルバイトに明け暮れ…

 休業中はアルバイトに明け暮れていた。初めてのアルバイトはファミレスで、その後もチラシ配り、皮膚科の受付、ウェディング関係の仕事などを次々とこなしていた。

ADVERTISEMENT

 貧乏生活も経験している。パン1斤を買ってきて、どうやって1週間過ごそうかと考えていたこともあったという(『ぽかぽか』2025年7月10日)。とはいえ、悲壮感はなく、むしろこのような生活を楽しんでいたようだ。

 セレブの子どもが通う名門幼稚園を舞台にした初の主演ドラマ『マザー・ゲーム~彼女たちの階級~』(2015年、TBS系)の際は、「年収250万円の気持ちが共演者の誰よりもわかる」と言い切っていた(週刊女性PRIME 2015年4月14日)。

映画『イニシエーション・ラブ』(2015年公開)完成披露試写会にて ©文藝春秋

 木村が「最大の転機」と語るのは、23歳のとき、現在の所属事務所トライストーン・エンタテイメントにスカウトされたことだ。

次の記事に続く 活動休止、離婚も経験…「基本、人が嫌いなので」「すごく生きにくい」“辞めようと思っていた”木村文乃(37)を変えた2つの転機