“ジャニーズきっての演技派”としてブレイク

 風間は旧ジャニーズ事務所出身で、グループには属さずに10代の頃から個人で俳優として活動してきた。“ジャニーズきっての演技派”とも呼ばれていた彼の最大の武器は、どんな役も物にする振り幅の大きさだろう。

 その黒目がちな瞳は優しくてピュアな印象を与えるが、風間は時にそこへ闇を宿すこともでき、ゆえに二面性のある役柄がハマる。

 ブレイクのきっかけとなった武田鉄矢主演のドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)第5シリーズで演じた兼末健次郎も、大人の前では優等生として振る舞う一方、陰ではクラスメイトの弱みを握り、陰湿な悪事を働く役柄だった。

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 過酷な家庭環境の中で屈折した心を見事に表現した風間の演技は凄まじく、未だ鮮烈に覚えている人も多いのではないか。

 以降も、『それでも、生きてゆく』(フジテレビ系)では親友の妹を殺害し、反省の意志を持たないまま大人になった元少年A、NHK連続テレビ小説『純と愛』では他者の本当の心が見える能力のせいで人を信じられなくなった影のある青年を演じるなど、愛くるしいビジュアルとは裏腹に狂気や闇を秘めた役柄をこなしてきた風間。

映画『先生の白い嘘』公式Xより

 なかでも、歴代最悪に鬼畜で、風間自身も「初めて役を愛せないかもしれない」と感じたのが、映画『先生の白い嘘』で演じた早藤雅巳だ。

 早藤は美奈子(三吉彩花)という婚約者がいながら、その親友である美鈴(奈緒)に肉体関係を強要する役どころ。美鈴の頬を片手で鷲掴みにし、恐怖で支配した上で性的暴行を加えるシーンは衝撃だった。

 女という存在そのものを蔑むような、冷ややかで憎悪に満ちた目を忘れることはないだろう。観る側はもちろん、演じる側も相当な心理的負担がかかる役に体当たりで挑んだ風間には圧倒された。