「うちのスタンスとして、あまりふざけたことされると、もう取り合わへんのやけど…」
「空也上人像」のコスプレイヤーとしてSNSで注目を集める中埜(なかの)さんが、像を祀る聖地・六波羅蜜寺へおもむく特別企画の後編。副住職の次は、いよいよ住職が登場。いきなりお寺に現れた真っ黒な空也上人像の姿をした彼を見て、どんな感想を抱いたのか……?(全2回の2回目/最初から読む)
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六波羅蜜寺・第65代住職が登場
川崎純性(以下、純性) おお、ハハハ、これは、すごいな。何で塗ってるんですか、それ?
――普段はドーランで塗るんですが、今日は一番発色のいい絵の具で塗ってます。
純性 肌は荒れませんか。(コスプレの小道具を鋭い眼光でチェックしながら)今まで何個作った?
――これで4代目ですね。
純性 ああ、そやろな。だんだんようなってる。うん、ようなってるよ。
――ありがとうございます。何度も本物を見て、細かいところまで作りました。長年コスプレさせていただいたことに、まず感謝を述べたいと思います。本当にありがとうございます。
純性 いやいや。何もしてくれと頼んでない。いや、もうそちらの発想で。
――いやもう、駄目と言われなかっただけでも、感謝しています。
純性 うちのスタンスとして、あまりふざけたことされると、もう取り合わへんのやけど、まあ、あなたの真摯な姿勢で、空也上人のフォルムをこう真似てやってらっしゃるっていうのは伝わりましたし、寺にとってみても悪くないことやと思って。(副住職の)息子のほうにも、何か協力できることがあればということで、お越しいただいたということなんですけど。

