なぜ「空也上人」だけが親しまれ続けるのか?
――やっぱ、歴史上の人物であるっていうのもあるし、皆さんの信仰の対象になってるっていうこともあるので、やはり、こう半端な気持ちでは絶対できないなっていうのは、僕もすごい意識してます。
純性 それだけ大事にしてくれてはるのはわかります。
――僕は大阪出身でして、中学生ぐらいの時に初めて空也上人像を見たんですが、その時に何も分からないまま、すごいかっこいい仏像だって感じたんですよ。で、それが何年も十何年も心の中にあって、初めてコスプレでやろうってなってできたのが、これなので、その時からやっぱり手を抜かないっていうのを固く心に決めて続けてます。
純性 空也上人は日本の歴史上の人物として教科書に載っていらっしゃる。仏教がまだ難しかった時代に、それを念仏という方法に変えて、自ら町へ出て歩かれて念仏を広め、人の救済をして。いちお坊さんの空也上人が、何で今まで歴史に残ったと思いますか?
――やはり、されたことの素晴らしさ、学校もない時代の人たちに、仏様の教えを広めるっていう、より多くの人たちを救おうっていう、その「気持ち」が残ったんじゃないでしょうか。
純性 ひとつはね、民衆が残したんだと思います。空也上人の後を継いだ方々もたくさんおいでになったわけやけど、その方だけでは残らなかった。民衆、いわゆる一般の方が、念仏の教えを、これは続けていかないかんというので、受け継がれていったわけ。だからそれが、他の歴史上の人物とちょっと違うんやな。だからそれで1000年残ったということですね。
――公的なというか、上から保存をして今まで残ったんじゃなく、下から支えられてということですね。
純性 そうそうそう。民衆が支えてきた。そこが違う。すごいですよね。1000年の歴史の中で、一体何人の人が歴史教科書に残ってんやろな。そう思ったらすごいと思う。
――すごいですね。
純性 まあ、もちろん、醍醐天皇の第2皇子という出生は非常に尊いことやけど、それにしても歴史に残らない人の方が多いんや。
――そうですね。
純性 うん。だから、中埜さんも、歴史教科書に残るように、いや歴史の教科書には残らへんな。えー、コスプレ教科書に、残るように頑張ってください(笑)。
――ありがとうございます。コスプレの歴史の教科書みたいなのができた時には載るように、善処します。
純性 すごい人いるでしょう、コスプレって。僕はテレビでしか見たことないけど。ええ、ここまでやるの?みたいな。有名な人って何のコスプレしてる?