「消防隊員も本気でびっくりしていました」これまでの実験で、とくにヤバかったものは……
――再生数の多い動画を見ると、古代の武器を豪快に扱う実験や、インパクトのある表情のサムネイルが採用されたヤバい雰囲気のあふれるものがたしかに目立ちますね。
でんじろう 最近の実験でいえば、「鎖のムチ」ですね。鎖のムチの先端のほうに布をつけ、燃料をしみこませて、火をつけて振る実験です。SNSでは「炎のムチ」と話題になりました。
見た目からしてヤバいし、スタジオでやるのにも緊張感がありました。屋外でやると消防車を呼ばれかねないので事前のテスト実験がしにくいので。
――これまで取り組まれてきた中で、とくにヤバかった実験を教えてください。
でんじろう 実験メインで「派手にやろう」という要求が強かった番組では、結構攻めた実験をしました。
『風雲!たけし城』みたいなノリで、プールを貸し切って炭酸ガスボンベを背負い、芸人さんがボンベを噴射しながら爆速で泳ぐ——という企画もありました。ところが実際は全然進まない。芸人さんは沈みかけるし、炭酸ガスでむせるし(笑)。
爆発系もたくさんやりました。酸化した金属とアルミニウムを混ぜて着火すると爆発のような現象を起こす「テルミット反応」というものがあって、通常の実験はごく小規模でやるのですが、ドラム缶単位でやる、といった無茶な規模感でした。安全確保のために少しずつ材料の量を増やして段階を踏みましたが、最終的には噴火のような爆発になって、待機していた消防隊員の方も本気でびっくりしていましたよ。
――一歩間違えると、かなり危険ですね。
でんじろう でも、見た目が派手な実験ほど十分注意してやるので、案外トラブルは少ないんですよ。一方で「これくらいは平気でしょ」という実験のほうが、油断してしまうから危ないことが多い。
ああ、ヤバい実験でいえば、助手を溶かしてしまったこともありました。