高市氏を支持する方々には「国益」を重視するイメージもあるが、これだけ発言が問われてしまう人が総理総裁になったらそれこそ「国益」が不安になってしまわないか。外国との交渉や会合で真偽不明な発言をぶっ放して混乱を招きそうで心配になってしまう。

「ステマ要請」としてSNSなどで炎上

 では「有力2氏」のもう一人、小泉進次郎氏で安泰かといえばそうではない。初挑戦だった昨年の総裁選は論戦で不安定さを見せて失速した小泉氏。今回、小泉氏の周辺議員は、際立った改革姿勢を封印する戦略を練ったという(朝日新聞9月17日)。持論はほぼ言わないのだ。一体何のためにトップになろうとしているのか不思議だ。

小泉進次郎氏 ©時事通信社

 さらにはステマ作戦の発覚である。小泉陣営が「ニコニコ動画」に小泉氏を称賛するコメントを投稿するよう要請するメールを陣営関係者に送っていたという週刊文春報道があった。陣営はおおむね認めた。今でもニコ動を重視している姿勢がちょっと面白かったが、この問題は「ステマ要請」としてSNSなどで炎上している(産経ニュース9月26日)。

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 文春によると、送ったのは小泉陣営の広報班長を務めた牧島かれん元デジタル相の事務所で、コメント例として「ビジネスエセ保守に負けるな」もあった。高市氏を意識したものと言われている。自民党の他陣営からすると高市氏はそう見えるのか? 今回の行動は野党議員などを匿名のTwitterアカウントで誹謗中傷していた「Dappi」をどうしても思い出す。

「Dappi」と言えば、

《自民党や党職員関係者などが関わっていたと取りざたされた。改革どころが(原文ママ)こういったことばかり引き継ぐ自民党に何を期待しろというのか。》(日刊スポーツ「政界地獄耳」9月27日)

 私がそれでも総裁選を見ておいたほうがいいと思うのはこういうことでもある。しかもトップを争うという2人が政治家の命とも言える「言葉」でやらかし、器量も確認できる場となっている。出直しは決してしないであろう自民党総裁選をじっくり見ておいたほうがいい。解党となってしまう前に。

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