ライフスタイルブランドのモレスキンとモレスキン財団による世界巡回展「Detour」が、東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3にて、9月10日(水)から9月23日(火)まで開催された。7月末から8月にかけて大阪・関西万博で開催された「Detour」大阪展に続く本展では、キュレーターの長谷川祐子氏および亀有のアートセンターSKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)の協力のもと、ジャンルを超えたクリエイターによる41点のノートを公開。会場には展示作品に触れられる仕掛けや、来場者が紙とペンで自由に創作できるスペースもあり、最先端のクリエイティビティを間近で体感できる、刺激的な展示が繰り広げられた。
モレスキンのキュレーションにより、国際的に著名なアーティスト、建築家、映画監督、グラフィックデザイナー、ミュージシャン、イラストレーター、作家などによって装飾されたアートノートブックを展示する「Detour」は、ロンドン、ニューヨーク、パリ、ミラノ、上海など、世界各国の都市で展開されてきた巡回展だ。これまでに建築家の隈研吾、伊東豊雄、映画監督のスパイク・ジョーンズ、デザイナーのロン・アラッド、三つ星シェフのハインツ・ベックをはじめ、各界のクリエイターが参加しており、彼らは「Creativity for Social Change(創造性による社会変革)」というモレスキン財団の理念と、若者たちの創造性と多角的思考を育む教育プログラムに賛同して、それぞれが創作したノートブックアートを寄贈してきた。その所蔵作品は2006年の財団発足以来回を追うごとに追加され続け、現在までに1600冊を超えるノートブックアートが寄贈され、同財団によって保管されている。
「Detour」東京展の新たな参加アーティストには、詩人の吉増剛造、彫刻家の名和晃平、俳優の板垣李光人、アーティストの清川あさみ、デザイナーの森永邦彦、建築コレクティブGROUP、アーティストのSAIKO OTAKE、彫刻家の中村哲也、アーティストのローレン・サイ、歌手のアイナ・ジ・エンド、デザイナーの松本陽介(MIYAKE DESIGN STUDIO) など、多様な分野で活躍するクリエイターが名を連ねた。いくつかの作品には、MIYAKE DESIGN STUDIOとモレスキンの協業によって開発された新たなデザインアイテム『NOTE-A-NOTE』が使用されており、会場の壁面にも『NOTE-A-NOTE』から発想を広げた巨大なアートピースが展開された。
視点2 | NOTE-A-NOTE 素材 - 2025
視点3|NOTE-A-NOTE 展開 - 2025
ジャンルを超えたクリエイティビティが交錯する「Detour」は、ノートブックとペンという最も身近な媒体が持つ新たな可能性を、再認識できるイベントとなった。会場の壁面に掲げられたスローガン「UNLEASH YOUR GENIUS(才能を解き放て)」は、誰もが潜在的に持つクリエイティビティを自覚し、それを形として表し、発信することを促している。効率化のために最新のAIツールやデジタルデバイスを駆使してきたすべての現代人にとって、ノートブックの前でペンを持ち、自らの持てる想像力を膨らませようとする行為は、とても刺激的で、プリミティブな喜びを与えてくれる体験となるだろう。
私のかわいいプリ帳- 2025
無題 - 2025
黒い表紙、それは無限の可能性を秘めた空間 - 2025


