麻薬使用、不倫、自殺……

 2番目の妻となる鶴子夫人は、1960年に17歳で結婚。当時40歳だった文教祖と添い遂げ、7男7女を産んだ。子供たちは、生まれたときから原罪のない「真の子女様」と呼ばれる。

文鮮明ファミリーの系図。少なくとも17人の子を文鮮明はもうけた。このうち14人の母にあたるのが韓鶴子 ©文藝春秋

(1)長女 譽進(イエジン)(61)祝福2世と結婚したが、離婚。

(2)長男 孝進(ヒョジン)(2008年に45歳で死去)19歳のとき、幹部の娘で15歳の洪蘭淑(ホンナンスク)と結婚。2人は、ニューヨーク近郊にある一族の豪邸で暮らした。

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 蘭淑は14年間の結婚生活ののち、5人の子供を連れて脱走。97年に離婚した。『わが父 文鮮明の正体』(邦訳は文藝春秋刊)で、こう振り返っている。

〈彼(孝進)は教会の教義を破って、たばこを吸い、飲酒運転をし、麻薬を濫用し、婚前の、さらには婚外の性交渉をもった。この家族が聖家族?〉

 ロック・ミュージシャンだった孝進氏は99年に再婚し、さらに5人の子をもうけた。死因は心臓発作。

(3)次女 惠進(ヘジン)(生後まもなく死去)

(4)3女 仁進(インジン)(57)夫は朴普熙氏の2男。米国総会長を務めていた2012年、ノルウェー人のミュージシャンとダブル不倫の末に、婚外子を出産。職を解かれた。その後、離婚した仁進氏は、2013年に不倫相手と再婚した。統一教会は信者向けに「仁進様の人事に関する見解」と題する次のような公文を出し、釈明に追われた。

〈真の子女様であっても、初めから完成しているわけではありません。(略)

 人間始祖アダムとエバが、罪の痕跡もないエデンの園で堕落したように、重大な愛の過ちを起こすこと自体はショッキングなことですが、あり得ないことではありません〉

 サム氏が生まれたのは、鶴子夫人が仁進氏を妊娠中の時期にあたる。

※本記事(約6000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(石井謙一郎「『文鮮明は母をレイプした』婚外子の告発」)。全文では下記の内容をお読みいただけます。

 

出生の秘密と「真の家庭」の矛盾
麻薬使用、不倫、自殺……
7男は米議事堂襲撃に参加
文鮮明を操る鶴子夫人
文鮮明の否定と真逆の教義
「統一教会は北朝鮮と同じ」

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