オリジナルから削られたシーンは…
「ベネディクトは、オリヴィアのほうがコメディが得意だと知っている。彼は彼女に後れを取らないようにしていた。だけど、彼は自分で思うよりずっとファニーだ。『SHERLOCK シャーロック』(10~17年、ドラマ)や『パトリック・メルローズ』(18年、ドラマ)を見てもそれはわかるよね。初めてベネディクトに会って話をした時に、彼にはできると僕は確信したよ。そもそもテオは、自信を取り戻したくて必死になっている男。そこが笑いを引っ張る。実際、彼はどのシーンでもオリヴィアに引けを取らなかった」(ローチ)
脇を固めるのは、『サタデー・ナイト・ライブ』の元レギュラー、ケイト・マッキノンとアンディ・サムバーグ、『アイ︐トーニャ 史上最大のスキャンダル』(17年)でオスカーに輝いたアリソン・ジャネイら。彼らにとってはもちろん、カンバーバッチ、コールマンと共演できることが、大きな魅力だった。
「映画はアメリカ人の視点からイギリス人のカップルを見つつ、逆にイギリス人である彼らの目線でアメリカ人を見たりもする。そこを探索するのも興味深かったわね」(マッキノン)
「撮影スケジュールが結構タイトで時間は限られていたけれど、脚本通りにやった後、『違うことをやってみる?』とジェイは即興を奨励してもくれた。それらの中には完成作に残ったものもあるよ」(サムバーグ)
猫好きで有名なマッキノンにとっては、非常に重要な部分がアップデートされていたことも、出演の大きな決め手となった。オリジナルではダグラス演じる夫が誤って飼い猫を殺してしまうのだが、そこがないのだ。
「もしそんなことが書かれていたら、絶対出なかったわ!」
彼女に賛同する猫好きの映画ファンも、ぜひ安心してこの映画を楽しんでほしい。
INTRODUCTION
ウォーレン・アドラーが書いた小説『ローズ家の戦争』を映画化したのが、マイケル・ダグラスとキャスリーン・ターナーが主演した1989年の同名映画。今作『ローズ家~崖っぷちの夫婦~』はその再映画化だが、内容は現代的に大幅にアップデートされている。主演の2人は、共に名優のベネディクト・カンバーバッチとオリヴィア・コールマン。監督は『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』(15年)などを手がけたジェイ・ローチ、脚本は『哀れなるものたち』(23年)や『女王陛下のお気に入り』(18年)などでアカデミー賞ノミネート常連のトニー・マクナマラと、スタッフも錚々たる顔ぶれだ。
STORY
ロンドンから米カリフォルニアに移住してきた、料理家のアイビー(コールマン)と建築家のテオ(カンバーバッチ)のローズ夫婦。テオは売れっ子建築家として活躍し、アイビーの夢であるレストラン開業も後押ししていた。しかし、テオのデザインした建物が嵐で崩落したことがSNSで拡散されてしまう。一方、アイビーのレストランは嵐で道路封鎖された客が殺到して大評判に。それをきっかけに、2人の仲は険悪になり、やがて殺気立ち始める。
STAFF & CAST
監督・プロデューサー:ジェイ・ローチ/脚本:トニー・マクナマラ/出演:オリヴィア・コールマン、ベネディクト・カンバーバッチ、アンディ・サムバーグ、ケイト・マッキノン/2025年/アメリカ・イギリス/105分/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン/©2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

