そして、「プロデュース48」……。ふたを開けてみると、やはり……。
歌や踊りなどでのパフォーマンスによるA~Fのランク分けでは、日本人メンバーのほとんどが低いレベルへ。ダンス担当のトレーナーは、「日本の子たちは正直分からない」とあきれたような表情をつくり、日韓の実力の差は残酷にもさらけ出された。
スター性でAランクとなった宮脇咲良にも、韓国の参加者からは「正直、Aのレベルかなと思いました」とその実力を訝しがられる始末。当の宮脇咲良も、「すごくショックで、韓国の人は日本でも通用するのに、日本人は日本を出た瞬間に通用しなくなる現実を突きつけられた気がして悔しいって思いました」と心情を吐露していた。
AKB48とのコラボは「渡りに船」だった?
韓国の芸能記者は言う。
「『プロデュース』シリーズは3回めということもありややマンネリぎみという印象もありましたが、日本のAKB48とのコラボで息を吹き返したともいわれています。日韓のアイドル練習生の実力の差はかねてから言われていましたが、この番組のコンセプトは、彼女たちの『成長』。完璧なアイドルというよりは、その成長していく姿を視聴者が見守っていくことが焦点となっている」
この番組の担当プロデューサー、アン・ジュンヨン氏は、スターを輩出した「スーパースターK」などの人気オーディション番組の仕掛け人で、韓国のエンタテインメント番組制作では第一人者と呼ばれる。放映前、「プロデュース48」のコンセプトについてはこう話していた。
「番組を通して、韓国や日本のそれぞれの特殊性ではなく、アジア、あるいは世界を舞台に活躍するアイドルを夢見る子たちが、韓国というひとつの場所に集って共通の夢を成し遂げる、夢、友情、成長というキーワードを描きたかった」(スポーツトゥデイ、2018年6月11日)
アイドルの青春の群像といったところだろうか。視聴率はまだ2%台と横ばいで過去のそれと比べると低いが、ケーブルテレビ番組の中では上位に入り、人気は上々だ。
さっそく繰り広げられた、意外なメンバーの逆転劇
日本人のメンバーの中で、当初人気が抜きんでていたのは、HKT48の宮脇咲良だ。韓国ではその美貌と「生真面目さ」が好印象のようで、これまでの人気投票では常に上位に。そこへ最近めきめきと頭角を現わしてきているのが、やはりHKT48の矢吹奈子だ。
当初のレベル分けでは屈辱のFランクとされたが、その後の頑張りでAランクに大抜擢され、日韓のポータルサイトの検索語で上位にあがるなど韓国でも知名度が一気に上昇。それ以降はパフォーマンス対決で「歌唱力がある」、「姿が妖精のよう」などと注目を集め、7月20日時点で得票数1位に躍り出た。
他には、AKB48の後藤萌咲(6位)、竹内美宥(11位)、本田仁美(12位)は第1回のサバイバル投票で12位以内に滑り込み、16位と圏外だったNMB48の白間美瑠はその後のグループ別のダンス対決で韓国の練習生を抜き1位となるなど人気上昇中だ。