「『日本スゴイ』+中韓ヘイト動画」を量産する素人激安ライター
静止画像にテキストが流れるだけの動画であるとはいえ、一本80円というすさまじい低価格で、「日本スゴイ」+中韓ヘイト動画が大量に制作されていたわけだ。やはりこうした「日本スゴイ」チャンネル群の内容の真偽不明ぶりや粗悪さ・ソースの不明さも、一本80円だからだと聞くと「なるほど」と思わざるをえない。かわいそうなのは、こんな動画で眼を潤ませてしまうマヌケな視聴者の方だろう。
「まとめサイト」的なものでも、こうした素人激安ライターは活用されており、こちらもクラウドソーシングのサイト「ランサーズ」で、2017年1月にこんな求人広告が出されていた。
お仕事のタイトルは「【翻訳ライター様募集】日本の素晴らしさが認識できる事例と海外の声」……。この仕事内容の説明を読んでいくと、ネットの「日本スゴイ」コンテンツってこうやって作るんだーということがよくわかるので、少し長いが引用しよう。
日本の素晴らしさが再認識できるよう、海外からどのような称賛、反応が得られているかわかる記事を募集します。
・日本の技術力に関する海外の反応
・日本食に関する海外の反応
・日本文化に関する海外の反応
・日本人の快挙に関する海外の反応
・日本と海外の比較に関する海外の反応
こういうあたりのネタを集めるわけですね。で、「読者の反応」も想定されている。
「読者が中学生ぐらいだと思い、わかりやすく文章を編集して下さい」
読者は日本人なので日本人が
「うわぁー、まじか!」
「へぇーこんなのが人気あるんだぁ…」
「おお、やっぱ日本すげー!さすが!」
「海外にはないの?日本人でよかった~」
と思えるネタをピックアップください。
※日本人が読んで当たり前だと思われる内容はお控えください。
これら「まじか!」的な驚きと「やっぱ日本すげー!」という自画自賛とを読者に与えることが目標としてしっかり据えられているわけだ。末尾にある「日本人が読んで当たり前だと思われる内容はお控えください」は笑える。そして、ご丁寧にも「注意事項」がついており、
・日本人の読者が中学生ぐらいだと思い、わかりやすく文章を編集して下さい。
……「日本スゴイ」製造業者からは、「日本スゴイ」にハマる人びとは「中学生ぐらい」だと見られていたわけですね。