懲役1年、執行猶予5年の判決
誠は捜索願についても詳しく警察と実家から聞き出した。
「母親が脳梗塞で倒れて、姉が僕に連絡をとろうとしたけど、携帯番号がわからなくなっていました。その前に番号が変わったことを父親に伝えましたが、父はカレンダーにメモをして、数カ月後にカレンダーごと捨ててしまったようです。数カ月連絡が取れず、姉が捜索願を出したそうです」
その後数年もの間、失踪者となっていた誠だったが、この事件をキッカケにまた実家と連絡を取ることができた。
姉から拘置所に「一生罪をつぐなうつもりで帰っておいで。裁判を見に行く」と手紙がきた。誠は「身内が裁判を見るのなら、裁判に出ないか、法廷で暴れて、めちゃくちゃにしてやる」と国選弁護士に伝えた。誠の願い通り、身内は裁判所にはこなかった。
裁判では、被害者からの言葉があった。
「大変な事件になったが、加害者である篠田誠には一日も早く社会復帰をしてもらい、罪を償い、補償をしてもらいたい」という内容だった。
誠は「ありがとうございます。就職をして、少しずつでも返していきます」と反省の言葉を重ねた。
結局、篠田誠には懲役1年、執行猶予5年の判決が下された。