イオン系のスーパーで、都市部を中心に店舗数を増やしている「まいばすけっと」。コンビニ跡地に出店することも多く利便性が高い一方で、画一的な店舗づくりで買い物が楽しくないとして「虚無のショッピングゾーン」「都民への罰」といった論評がSNS上でなされている。
「決して美味しくはないが……」「ないと困る」といった声
このまいばすけっとについて、文春オンライン上で小売・流通アナリストの中井彰人氏が解説したところ、Yahoo!ニュースのコメント欄では実際に利用している人から「個人的に便利だし重宝してます」「ないと困る」といった声があがった。
利用している人のコメントを見ると、まいばすけっとに対して肯定的な人が多いながら「惣菜系の食べ物に関してはすごく美味しいっていうのは少ない」「お弁当など決して美味しくはないが価格は安い」「鮮度や質を求めてない」といった、ある程度割り切っているようすがうかがえる。
中井氏の分析によると、こうした鮮度や質よりも利便性を追い求める、いわば“殺風景スーパー”とでも呼ぶべき業態に、各社が参入しつつあるという。
トライアル、セブンらが「殺風景スーパー」を出店
例えば西友を買収して話題になったトライアルホールディングスでは、デジタル技術を活用した「トライアルGO」の店舗を開発した。この他、コンビニのセブン-イレブンでは、従来店舗に生鮮食品を追加した「SIPストア」を出店している。
こうした状況について中井氏は「コロナ後は『人件費高騰』『光熱費高騰』『価格転嫁の困難』という三重苦ともいわれる環境変化で、業界が労働集約的なインストア加工を継続するのは難しくなりつつある」と解説する。
また「多くの資本力あるスーパーはセンターインフラとDXに投資することで、規模の利益を最大限に発揮しようと」し、その結果として「スーパーの売り場は、DXによる省人化、品ぞろえの効率化が進んで、無味乾燥な金太郎あめのような画一的店舗が増えていくのだろう」と分析する。
一見すると買い物の楽しみが失われるような事態だが、Yahoo!ニュースのコメント欄では「最早、日常的な買い物で『楽しさ』を追求する時代ではなく、効率が重視される時代だ」と状況を受け入れるようなコメントも寄せられている。消費者の理解もあり、今後はどんどんと殺風景スーパーが増えていきそうだ。
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中井彰人氏によるまいばすけっとや殺風景スーパーに関する分析記事の全文は、下記からお読みいただけます。



