「週刊文春」の名物連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」に、長澤まさみさんが16年ぶりに登場。時代劇映画初主演作となる『おーい、応為(おうい)』で、葛飾北斎の弟子であり娘でもある葛飾応為を熱演した長澤さんに、その舞台裏を語っていただきました。

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阿川 お久しぶりです。この度主演を務めていらっしゃる映画『おーい、応為』、拝見しました。

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長澤 ありがとうございます。どうでしたか?

阿川 葛飾北斎の娘、応為として、今までとはまた別の長澤まさみが出てきたぞっていうか。

長澤 本当ですか(笑)。

対談に臨んだ長澤まさみさん(右)、阿川佐和子さん(左)©︎文藝春秋

阿川 まず立ち振る舞いが綺麗なのよね。例えば、筆を持つときの指先の動きとか。あと、町中を延々と歩くシーンも印象的でした。

長澤 そうですね。かなり歩きました。

阿川 大森(立嗣)監督とコンビを組むのは、『MOTHER マザー』(2020年)以来だそうで。あの時は生活に困窮するシングルマザーの役で。

長澤 そうなんです。『MOTHER マザー』では息子を支配し、追い詰める母親というすごく難しい役だったので、「うまく演じられなかったなぁ」という思いがあって。

阿川 終わった後もずっと?

長澤 はい。でも、それって私にとっては『MOTHER マザー』に限らず、いつものことなんです。

阿川 いつもなの? 「今回はやったぜ、私」って思うことはないんですか。