当時、いまより10キロも痩せていた紗希は、若さとその愛くるしい笑顔を武器にすぐに売れっ子になった。だが、やがて年齢はバレ、紗希はキャバクラ店から追われてしまう。それを仲間に相談すると、新たに雇ってくれるキャバクラを紹介され、流れのままにそこで働いた。
以降は、バレる、また雇ってくれるキャバクラを探す、その繰り返し。年齢が若くても学歴がなくても夜の世界なら生きていけることをそのころに知った。
「初月は300万くらい稼げました。お金は…」
おそらくエンコーやパパ活でカラダも売り、そのままズルズル立ちんぼへと流転したのだろうと思っていた。ところが意外や、紗希は19歳までは彼氏もできずの処女で、カラダを売ったのも「ハタチでソープ嬢になってから」だったという。
キャバクラでは思うように稼げなくなった20歳の紗希が次に選んだのは風俗だった。実はその半年前、初めてホストの彼氏ができた。休職中だったホストはそのころひとり暮らしを始めていた彼女のマンションに転がり込み、すぐにヒモ状態になった。紗希は彼氏を支えるため、郊外のソープで働きだしたのだ。
「初月は300万くらい稼げました。お金は、ほとんどを彼氏に渡していました」
理解し難いかもしれないが、カネより愛情が勝るのである。紗希にとっては当たり前の行為であり、これが実情なのである。
当初の稼ぎは新人特需だったのか、稼ぎが少なくなると、彼氏は言った。
「ハイジアって場所に立つと稼げるからやってみれば、って」
ありえない。ソープは紗希が自ら希望して働きだしたのだからまだしも、逮捕や犯罪に巻き込まれるリスクがある路上売春を彼氏が平然と勧めるはずがない。
しかし恋は盲目とはよく言ったものだが、当時の恋愛初心者の紗希がまさにそうで、思慮分別がある行動がとれるはずもなかった。自分と彼氏はカネだけの関係じゃないと信じ込んでいた。
「もちろん葛藤はあった。でも、彼氏にお金を渡すと『頑張ったね』って褒めてくれるから」
言われるまま紗希が大久保病院側に立つと、1分もしないうちに男から「いくら?」と誘われた。
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