「各マンションに1軒は、ゴミ屋敷がある」

──YouTubeでは、毎回ゴミ屋敷のレベルを判定されていますよね。どう分類しているんですか。

山田 まず初歩的なところだと「床が見えているか、見えていないか」です。例えば、完全に床が見えているのであれば、当社では「レベル1」にランク付けしています。そこから「リビングなど一部だけ床が見えていない状態」「ほぼすべての床が見えない」となるとレベルが上がっていきます。

 そこまでくると、次はゴミがどれくらいの高さまで積み上がっているか。「足首・くるぶしの高さ」「膝~腰」「腰より上」などいくつかレベルがあり、レベルMAXになると「玄関を開けた瞬間から中に入れない」状態です。

ADVERTISEMENT

ゴミ屋敷専門パートナーズの山田一仁さん(同前)

——依頼される中で、どのレベルが多いんですか。

石田 全体的には、レベル1~3、つまり床が見えないレベルでゴミはあるけれど、そこまで高くは積み上がっていないお客さんが多いです。まだ作業件数が年間に1000件くらいのころは、レベルMAXを含めてハードな依頼が多かったのですが、最近は件数が増えるにつれて裾野が広がり、そこまで激しくない現場も増えました。

──依頼者は、どんなきっかけで掃除しようと思うことが多いんでしょうか。

石田 集合住宅にお住まいで「定期点検が入るから、この機会に」というのがよくあるパターンです。集合住宅の場合は、においや害虫が発生して、隣室からのクレームで発覚することもあります。

 ただ、ゴミ屋敷にもいくつか種類がありまして、食べ物系のゴミが少なくて、衣類が多いような場合は、においが発生しにくいんです。こういうケースはレベルMAXに該当していても、長い間バレずにいますね。

(提供=ゴミ屋敷専門パートナーズ)

——気付かずに、隣室がゴミ屋敷化していることもありそうですね。

石田 全然、あると思います。最近の感覚でいうと、もう1つのマンションにつき、1軒はゴミ屋敷があるなと。現場に入ったとき、マンションの裏に止めているトラックで休憩するんですが、そこから各戸のベランダを見ていると「あ、あそこもゴミ屋敷や」と思うことが多々ありますよ。