「床から天井まで、ゴミがぎっしり埋め尽くされた家」「1LDKにゴキブリ約1000匹」——年間5000件ほどのゴミ屋敷清掃に当たっている、ゴミ屋敷専門パートナーズのYouTubeには、衝撃的な文言が並ぶ。

 もちろん、こうしたゴミ屋敷は長年の積み重ねによって生まれたものだ。ゴミ屋敷専門パートナーズの石田毅社長は「キッチンのシンクに食器が溜まっている」「机の上が散らかっている」、そんな日常の些細な状態が、ゴミ屋敷への入り口だと語る。

 石田さんと、同社の東京現場リーダーを務める山田一仁さんに、依頼をしてくる人たちの傾向や、ゴミ屋敷のトレンドなどを聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)

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(ゴミ屋敷専門パートナーズ公式YouTubeより)

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「ゴミ屋敷住民」に傾向はある?

──ゴミ屋敷専門パートナーズのYouTubeは登録者数が30万人超、数百万PVの動画もたくさんありますよね。現在は、年間にどの程度のゴミ屋敷を清掃されているんですか。

石田毅さん(以下、石田) 数年前まで年間3000件程度だったのが、YouTubeをご覧になった方からの依頼も年々増えて、現在は5000件に達しています。YouTube動画では、毎回作業料金を明示しているので「これくらいなら、自分でもお願いできる」と思われる方が多いようです。

──依頼者にはどんな傾向がありますか。

山田一仁さん(以下、山田) まず大半を占めるのが、一人暮らしです。その中で多いのが女性からの依頼で、全体の6~7割を占めています。また、高齢者は少な目で働き盛りの人が多い傾向にあります。

石田 ゴミ屋敷と聞くと特殊なイメージを持つ人もいるかもしれませんが、そういった方はごくごく一部で、本当に普通の人からの依頼が多いですね。

ゴミ屋敷専門パートナーズの石田毅社長(提供=ゴミ屋敷専門パートナーズ)

——「こんな職業の人からの依頼が多い」などはありますか。

山田 看護師、教師、弁護士といった対人サービス従事者が多いかもしれません。あとは、いわゆる「ブラック企業」に勤めている人からの依頼も多いような……。自分のこと以外を優先せざるを得ない状況で、身の回りに気を遣えなくなり、気付いたらゴミ屋敷になっているケースは非常に多いですね。仕事に疲れて、飲んだペットボトルをそのままにしてしまう。それが当たり前になり、10本、20本と増えていってしまう。そんなイメージです。