「床から天井まで、ゴミがぎっしり埋め尽くされた家」「1LDKにゴキブリ約1000匹」——年間5000件ほどのゴミ屋敷清掃に当たっている、ゴミ屋敷専門パートナーズのYouTubeには、衝撃的な文言が並ぶ。
同社の石田毅社長と、東京現場リーダーを務める山田一仁さんに、これまでの中で忘れられない現場などを聞いた。(全2回の2回目/最初から読む)
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ゴミ屋敷清掃で大事なこととは
──ゴミ屋敷を清掃する際、作業はどのような流れで進めるのでしょうか?
石田毅さん(以下、石田) 意外と思われるかもしれませんが、ゴミ屋敷清掃で重要なのが見積もりです。
依頼があった際、まず見積もりに伺い、現場の間取りや物量を見定めながら、トラックは何台必要か、誰をどこに配置するか、休憩時間はいつとるかなどのシナリオを作っていきます。現場には平均6、7人のスタッフが出ます。部屋の中で分別して袋に入れるのが4人、運び出しが1人、トラックへの積み込みが1人という体制です。
山田一仁さん(以下、山田) そのほか、私たちが一番気をつけているのは「お客さまが求めているもの」に最大限沿うようにすること。依頼してくださった方は、周囲にバレたくないと思う人が大半です。なので、現場ではあまり騒音を立てない、こまめにゴミを搬出するのではなく、まとめてある程度溜まってから外に出す、などを徹底しています。
