ゴミ屋敷にも「トレンド」がある
——ゴミ屋敷清掃は非常に大変な仕事である一方、偏見にさらされることもありそうです。
山田 今でこそ減りましたが、昔はそういうことが多々ありました。「ゴミ屋」「汚い、くさい」という言葉はかなり言われました。あとは依頼者から怒られることもあって。
——どんな感じで怒られるんですか。
山田 料金のことで怒られることが多かったですね。清掃料金には地域差があるんですが、だいたい関西圏なら20万円弱、関東圏だともう少し高くなります。これくらいの金額感を提示したところ「自分でやれば1万~2万円で済むのに、何でそんな高いの?」といった感じの言葉をかけられることがありました。
ゴミ屋敷清掃には、だいたい2トントラックで伺うのですが、1台を手配するのにまず数万円がかかります。その上、人件費やゴミの処分費などもかかるのですが、相場が分かりにくく、中にはトラック1台で100万円単位の請求をする悪徳業者もいるので、お客さまが敏感になるのも分かるんですけどね。
——長らくゴミ屋敷清掃に携わっているお2人ですが、時代によってゴミ屋敷の変化などはあるのでしょうか。
石田 最近は、かなりAmazonの箱が積み上がっているお宅が多くなりました。段ボールって、なかなか捨てられないんですよね。
山田 宅配物を開封せず、そのままになっているようなケースはたしかによく見ますね。あと、若い人たちはとにかく紙媒体が少ない。かつては新聞などが積み上がっているゴミ屋敷もありましたが、今はほとんど見かけなくなりました。
石田 エナジードリンクの空き缶も非常に多いです。先ほど、ブラック企業に勤めている方からの依頼が多いとお話ししましたが、みなさん本当に大変な中で生活しているんだなと。同様に健康食品の空き箱なども多いですね。
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