これぞ、習近平ジョーク
現在、中国の最高指導者の地位にあるのが習近平。
1953年生まれの習近平は漢民族で、北京の出身。父親の習仲勲は中国共産党の実力者で、国務院副総理などを歴任した。しかし、文化大革命の折、習仲勲は「反党集団の一人」として批判され、失脚した。
そんな影響から、習近平は農村に派遣され、人民公社の生産隊に入隊。洞窟式の住居に住みながら農作業に従事し、極貧の生活を送ったという。
習近平が中国共産党に入党したのは1974年。翌年、清華大学に進学し、化学工程学部で学んだ。党員としては廈門(アモイ)副市長、福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委書記といった要職を歴任。2007年には上海市党委書記に就任し、同年、中央政治局常務委員に「2階級特進」で昇格した。
以後、国家副主席、党中央軍事委員会副主席を経て、2012年、中央委員会総書記に選出。翌2013年、ついに国家主席の座に就いた。就任演説の場で、彼はこう述べた。
「中華民族の偉大なる復興という中国の夢を実現するため引き続き奮闘、努力しなければならない」
2017年10月に行われた共産党大会では、
「21世紀半ばまでに世界をリードする『社会主義現代化強国』を築く」
と宣言。アメリカを中心とする国際的な枠組みに「挑戦」するような姿勢を隠さなかった。
自国を世界の中心として位置付ける中国の「華夷思想」。習近平は、この思想的傾向が強いとも言われる。
そんな習近平は現在、国内において強固な「一強体制」を構築中。「2期10年」だった国家主席の任期規定を撤廃し、権力基盤をより盤石なものとした。中国では、毛沢東の独裁が文化大革命を招いたという負の経験から、その後は集団指導体制を構築、維持してきたが、それを放棄した形である。事実上の「終身主席」となった習近平は、自らを毛沢東と「同等の格」として位置付けようとしているようにも映る。
こうした流れの中で、中国のネット空間では「専制」「独裁」「皇帝万歳」といった言葉が、検閲によって検索できなくなった。するとネット上では「帝政復活」を意味する隠語が流布。民草(たみくさ)はしたたかに抵抗している。
●プラカード
天安門広場で共産党による集会が開かれていた。
広場には、習近平を讃えるプラカードが多く掲げられていた。しかし、一人の老女だけ、
「神様ありがとう」
と書かれたプラカードを持っていた。それを見た男が老女に言った。
「ばあさん、そこは『神様ありがとう』ではなくて『習近平ありがとう』と書いておかなくちゃダメだよ」
老女は聞いた。
「でも、習近平だっていつかは亡くなってしまう存在でしょう?」
それを聞いた男は答えた。
「その時こそ『神様ありがとう』でいいんだよ」