顔面に30針の傷

――どのような治療を受けたのですか?

小島 傷跡が目立たなくなるように、非常に細かく縫ってくださいました。そのため、通常よりも多い30針前後になりました。口角の傷は、治った時に自然に見えるよう、口の内側から縫合しました。麻酔の注射を細かく打ってくださったので、痛みはほとんど感じなかったです。1週間ほどはピリピリと痺れるような感覚が少し残りました。

 先生に、「傷跡が残らないようにできますか」と質問すると、「跡は確実に残ります」とハッキリおっしゃいました。手術で綺麗に切開した傷とは違い、犬の歯による咬みキズは不規則に裂けるので、治すのがとても難しいそうです。

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犬に噛まれた当日の小島さん(写真:本人提供)

――治療後に大変だったことはありましたか?

小島 翌日には福岡に戻り、博多ラーメンを食べたくらいなので食事は問題ありませんでした。でも、口角を動かせなくて困りましたね。「笑わせないでね」と周りにお願いして、おかしくても口角を押さえてこらえました。

 一番大変だったのは、強い抗生物質を5日間飲み続けたことです。犬の口には、人間が持っていない細菌がいるので、感染症を防ぐ必要がありました。副作用で腸内環境が変わってしまうので、1ヶ月間くらいお腹を下してしまいました。

 また、犬が人を噛むと飼い主さんは管轄の保健所に報告して、狂犬病にかかっていないか検診を受けなければならないそうです。知人のワンちゃんも検査を受けたそうですが、狂犬病の心配はないということでした。