「顔が変わっちゃう」――今年5月、知人宅の犬に突然顔を噛まれ、口と鼻の周囲を中心に約30針を縫う大怪我を負った女優・小島可奈子さん(50)。

 事故直後は血まみれで呆然としていたが、驚くべき回復力と前向きな姿勢で困難を乗り越えた。現在は活動を再開した小島さんに、「事故の経緯」や「家族の反応」などを直撃した。(全3回の1回目/続きを読む

今年6月に犬に噛まれた小島可奈子さん ©深野未季/文藝春秋

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「顔が変わっちゃう……」

――怪我をしたのは、どんな状況だったのですか?

小島可奈子(以下、小島) 今年開催の写真展に向けて、5月29日まで東京で撮影していたんです。翌日は都内の知人の家で楽しく食事をしました。満足のいく撮影を終えられて、少し気が緩んでいたかもしれません。

 そのお宅には柴犬くらいの大きさのワンちゃんがいて、私はその子が大好きなので、お暇する前に一緒に写真を撮りたかったんです。でも、ご機嫌斜めだったのか、知人がオヤツを置いたりしてもケージから出てこようとしませんでした。

 今日は無理かなと思っていると、突然ワンちゃんが飛び出してきたんです。驚いて「わっ」と尻餅をついたところ、顔面をガブリと……。知人が必死に引き離そうとしてくれましたが、興奮したワンちゃんに再度同じところを噛まれてしまいました。

 その瞬間は体が硬直して、何が起こったか分からなかったです。血がピューッと噴き出してきて、「顔が変わっちゃう、写真展どうしよう」と呆然としていました。

――どのような傷だったのでしょうか。

小島 口と鼻の周りに複数の咬みキズがあり、左側の口角には1cmくらいの穴が開いていました。

 幸いだったのは、当日に最良の処置を受けられたことです。知人は私の仕事を知っていたので、方々に電話を掛けて、傷の縫合が上手な形成外科を探してくれました。

 そのとき初めて、顔の傷には形成外科が適していることを知りました。傷跡を目立たせないように治療してくれるそうです。評判のいい女医さんが見つかり、すぐに連れて行ってもらうことができました。