プロデューサー、ジョン・ランダウの尽力と支え
――ジョン・ランダウとあなたの関係も、この映画の重要な部分です。商業的ではなく、関係者が反対した「ネブラスカ」が実現した裏には、彼の尽力がありました。
ブルース・スプリングスティーン パートナーを組むようになった時、ジョンは僕にふたつのことを言った。ひとつは、「君がやりたいと思うことを、僕はなんでも手助けする」ということ。自分中心の人が多い業界で、それはとても新鮮な発言だった。もうひとつは、「もちろん成功を目指すが、もっと大事なのは君自身の幸せだ」ということだ。
以後、僕たちはずっとそれを守り続けてきた。そんなふうに、彼は僕を50年も支えてきてくれたんだ。
オデッサ・ヤング演じるフェイが教えてくれること
――あなたの恋のお相手としてフェイという女性が登場しますが、彼女は架空のキャラクターですね。
ブルース・スプリングスティーン オデッサ・ヤングが演じるフェイは、この映画で非常に重要な存在。当時の僕が持っていた可能性を象徴する。僕は、音楽に費やす以外の1日の時間をうまく使えていなかった。本当の人生を生きていなかった。フェイは、僕にできていなかったことを見せつけてくる。僕がもっと後になって、ようやく発見できることを。僕をずっと待っていてくれた、人間らしい人生を。
映画の中で、フェイは、「まるで愛されたことがないより、愛されたことがあるほうがいい」と言う。あの頃の僕がわからなかったことを、映画のフェイは僕に教えようとする。オデッサの演技に、僕は毎回心を揺さぶられるよ。(オーストラリア人であるにもかかわらず)彼女は完全なジャージーガールになりきっているし。
――ご自身の人生の最も脆い部分を全世界の観客と分かち合うことを、どう感じていますか?
ブルース・スプリングスティーン 良い気分だね。なにせ映画の僕は、31歳の若さ。その上、ジェレミー・アレン・ホワイトのルックスときた。まったく文句はないさ。
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映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』
11月14日(金)全国ロードショー

