いずれも都市伝説化している高額バイトの代名詞みたいな仕事ですが、もちろんそんな求人募集などどこにもありません。

 探すだけ時間の無駄でした。

テレアポは滑舌の悪さが原因でクビに

 職探しから約4カ月、一向に仕事らしい仕事は見つからず、僕は相変わらずわずかな貯金を食いつぶす日々を送っていました。

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 うかうかしていたら、貯金が本当になくなってしまう──切羽詰まった僕は、とにかくアルバイト採用してくれそうな求人に応募を続けます。

 で、次に面接に行き採用になったのは、急募でアルバイトの求人をしていた電話営業(テレアポ)の仕事でした。

写真はイメージ ©getty

 ここでは一週間、他の人より電話をかけ続けたのですが、一件もアポが取れず、その原因の一つは滑舌が悪いからだという理由で首になりました。

〈しゃべりもダメなら、僕はどうしたらいいんだ?〉

 その次についたバイトが、トラックの横乗り(ドライバー補助。運転手の横=助手席に乗るからこう呼ばれる)で、街中に設置された自動販売機にコーヒーなどの缶飲料を詰める仕事につきます。

 しかし僕はここでもミスを犯してしまいます。

 僕が自販機に詰めた缶飲料が間違っていたらしく、購入者から缶コーヒーを買ったら別のジュースが出てきたと会社にクレームが入ったのです。

 所長から呼びだされて、「最初は誰でもよくあることだけど、次から気を付けて」

 そう注意された僕は、「申し訳ありませんでした」と平謝りするしかありませんでした。

 それでも初日は商品のコーヒーなら7種類ぐらいあったので間違えても笑って済まされましたが、5日間くらい間違いが続き、1週間目に再び所長に呼び出されて首になりました。

 なぜ50歳近くにもなって、こんなに単純な仕事ができないのか。あまりにふがいなくて、自分で自分のことが嫌になってきます。