10人のうち3人に褒めてもらえば作家として三割バッター

住田:今、SNSやAmazonのレビューなどで、良くも悪くも作品についてのリアクションがすぐに届く世の中です。否定的な意見を目の当たりにしたときの対処法みたいなものがあれば、お聞きしたいです。

安部:確かにネット上の誹謗中傷は、大きな社会問題にもなっていますよね。ただ、僕はもう感受性がすり切れているのかもしれないですけど(笑)、誰に何と言われようとどうでもいいんです。我々は褒められるために小説を書いているようなものですから、褒めていただければ大変嬉しい。でも、それは大谷選手の打率ぐらいでいいんじゃないかと。2割8分ぐらい……つまり10人いたら3人ぐらいの人が褒めてくれれば、もう作家として三割バッターだ、と。

住田:なるほど!

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安部:褒める場合よりも貶す場合の方が、人間ってモチベーションが上がるじゃないですか。しかもネットの場合は匿名性を活かして、過激に反応する。ちゃんと署名入りの批判だったら、正面から相手にしなくちゃいけないと思いますが、匿名性に隠れた批判は、ただの投石みたいなもんだと僕は思っています。

住田:今のところ、『白鷺立つ』について僕が目にしたものでは好意的な解釈の方が多いみたいですが……絶対に気になってしまうので見ないようにしています。

安部:そうですね。もう見ないが一番。飛んでくる石は避けようと。

安部龍太郎さん