15歳でモー娘。に…加護亜依、辻希美らも選ばれた

 石川梨華がモーニング娘。に加入したのは、2000年。15歳のときである。モー娘。のオーディションは名物にもなっていったが、彼女が合格したこの「モーニング娘。第3回追加オーディション」は、その歴史のなかでも、特別な輝きを放っている。選ばれたのは石川のほか、吉澤ひとみ、加護亜依、辻希美。センターを張れる逸材ばかりだ。

 当時のモー娘。は、7th「LOVEマシーン」で初ミリオンを達成し、8th「恋のダンスサイト」も大ヒットした頃。国民的アイドルとして熱い視線を浴びていた。そのため、オーディション募集は2万5000人とすさまじい人数になっていた。加えて、ひとつ前のオーディションで「後藤真希」というカリスマが加入。明らかにゴマキを意識した同年代の14歳、15歳の応募が急増しており、石川梨華もその一人だった。

モーニング娘。「LOVEマシーン」(1999年)

 オーディションの様子は「ASAYAN」で放送されていたが、石川が映った途端、筆者は「うわ、かわいい子」と声が出た。当時の華原朋美っぽいコンサバが似合いそうなムード、鳥のさえずりのような高い声もふくめ、総合的なかわいさが抜きんでていた。プロデューサーのつんく♂もボソッと「かわいいな」と呟いていた。この選考で、つんく♂が吉澤ひとみを見て周りに言った「こいつ、天才的にかわいいな!」という言葉は有名だが、石川のかわいさは、そう周りに共有したくなるものではなく、まさにボソッと「かわいい」と小声で呟いてしまうような威力があった。

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 結果、追加メンバーとして真っ先に名前を呼ばれた石川。つんく♂曰く、決め手となったのは「声のキャラが際立っている」ということだったが、いやもう、どんな理由でも誰もが納得するほど、石川の乙女感は即戦力であった。

 とはいえ、アイドルのブレイクは予測不能。その後すぐに彼女が個性を発揮したかと言えばそうではなく、ボーイッシュな吉澤ひとみと、ヤンチャで双子のような辻希美&加護亜依の陰に隠れてしまう。バラエティーでは「自分はかわいい」というぶっとびお嬢様キャラの「チャーミー石川」を演じていたが、本当に自信がある感じはなさそうで、自らいじられるため必死に身を差し出しているようであった。

 その自己肯定感の低さもまた彼女の色気となってはいたけれど、見ていてヒヤヒヤしたものである。