相手が愛し合っている恋人だったとしても、データが流出する可能性も…
言わずもがなですが、これは立派な児童ポルノです。
たとえ両者の間に合意があったとしても、被写体が18歳未満の子どもであれば、児童ポルノです。要求した側は加害者になり、提供した側は被害者になる。本人たちが無自覚であっても、違法行為が成立しているのです。
これを一部の軽率な子どもがやることだと考えないでください。2023年から2024年にかけて行われた「第9回青少年の性行動全国調査」では、女子高生の13.3%が「セクスティング(性的な映像や文字をSNSで送ること)を要求された経験がある」と答えている実態があるのです。リアルの恋人、ネットの恋人問わず、交際相手がいたことのある女子高生だけに絞れば、この割合ははるかに高まるはずです。
相手が愛し合っている恋人だったとしても、自分の裸の写真を撮影して送れば、データが流出する可能性は少なくありません。
おそらく、親世代の人であれば、学生時代に恋人と撮影したプリクラを手帳や財布にたくさん貼ったり、写真をアルバムにして友達に見せたりした経験のある人も少なくないでしょう。他人に自分の恋愛を自慢することで、少し大人になった気持ちになっていたはずです。
思春期の子どもにとって、自分に恋人がおり、その関係性がどこまで発展したかを示すことは、一種のステイタスになるからです。それは昔も今も同じです。
ネットのみでつながっているカップルの方が発生頻度は高い
現代における問題は、そうした映像がプリクラや写真ではなく、誰もが簡単に共有することのできるオンラインのデータになっていることです。恋人がちょっとした自慢のつもりで恋人のわいせつな画像を友達に見せたり、SNSにアップしたりすることによって、それが意図しないところで瞬く間に拡散されるのです。
このような児童ポルノ事案は、対面で付き合っているカップルの間でも起こりますが、ネットのみでつながっているカップルの方が、発生頻度は高いと推測されます。
なぜならば、ネットの中で生きている人は、リアルな関係の中で相手を大切にするより、自己承認欲求を満たすことを優先しがちです。そのため、「これをしたらどんなリスクがあるか」を熟慮せず、浅薄な気持ちでわいせつな映像を他人と共有することで、児童ポルノを生産してしまう可能性があるのです。