3つ目は、潔いケジメをつけてみせたこと。
アイドルグループは活動終了を迎えるその時、いかに終止符を打つべきなのでしょうか。
2021年11月1日、デビューから26年の記念日に解散したV6は、メンバーの誰ひとり欠けることなく最後まで駆け抜け、“グループが理想的に完結する姿”を見せてくれました。それは、後輩にとって大きな憧れとなったと同時に、良い意味でのプレッシャーにもなりました。
では、KAT-TUNの場合はどうだったのでしょうか。
ファンが衝撃を受けた「最後の光景」
今回のステージセットには、デビュー前からコンセプトとして使用するなど、hyphen(ハイフン/KAT-TUNのファンネーム)にはおなじみの、海賊船が用いられました。ファンが衝撃を受けたのは、ライブが終焉を迎えるまさにそのときです。
宴が繰り広げられた海賊船の帆は炎に包まれて燃え落ち、爆音とともに柱は崩れ、愛するハイフンが見守るなか、KAT-TUNは自らの手で彼らの船を沈めていきました。
もう、KAT-TUNによる次の航海は無いのです。
同じ船で新たに旅立つような演出や、何か含みを持たせた仕掛けがあれば、ファンはずるずると思いを引きずるゴーストになってしまう。
ファンが思いに区切りをつけて新しい一歩を踏み出せるよう、ショッキングでも愛情豊かな決別を彼らは選んだのです。
そして、本当に最後は亀梨さん、上田さん、中丸さんが今回のライブグッズのシャンパングラスで祝杯を交わし、おたがいを讃え合う姿を見せてくれました。
先輩が絶賛、後輩がリスペクトした彼らの姿
優等生ではなかったけれど、「終わりよければすべてよし」を体現したKAT-TUNの姿は、後輩たちにとって目指すべきロールモデルとなりました。
さらに終演後、ライブを観た人たちは次々とその感動を発信しています。
堂本光一さんは、
「元々自分のバックで組まれたグループ あんなにやんちゃだった奴らが大人になりファンに寄り添いながらライブをしている姿に感動 そしてそれを受け止め支えているファンの皆様の姿に感動 これからもそれぞれの新たな道を開いていくことでしょう」(ファンクラブ向けメッセージから一部抜粋して引用)
と、その成長ぶりを絶賛。
中島健人さんは、
「次は自分が後輩にそんな景色を見せてあげなきゃと思わされる最強の先輩達のラストライブでした。僕も必ずあの時の先輩のようなライブを東京ドームでやります。KAT-TUN! 大好きです! 青春をくれてありがとうございました」(インスタグラムストーリーズより)
と、惜しみないリスペクトを表明しました。
先輩、後輩、そしてファンに心底愛され、祝福されたKAT-TUN。その御旗はアイドル史という大海原で、永遠に強くはためくことと思います。


