「仁亀」はインスタグラムを相互フォローも
この流れは止まることなく、STARTO ENTERTAINMENT(以下、STARTO社)では2022年にTravis Japanがロサンゼルスでの歌・ダンスの武者修行を経て、メジャーデビューしています。
KAT-TUNの解散後は亀梨さんも事務所を離れてソロ活動を本格化。2人の間に、共感できることも増えたのかもしれません。KAT-TUNのデビュー日である3月22日には、赤西さんと亀梨さんがインスタグラムを相互フォローし、水面下で温かな絆が結ばれていることが見てとれました。
おそらくはメンバー間でも陰ながらエールを交わす気持ちはずっとあったのではないでしょうか。
赤西さんはステージに上がりこそしませんでしたが、開演前にプレゼントを持って楽屋を訪れ、メンバーと親しみ合う様子をSNSで披露しました。その姿にどれほどのファンが胸を熱くしたことでしょう。今は乗る船を違えても、同じ船で漕ぎ出した者どうし、変わらぬ愛と敬意があるのだと思いました。
あえて“銀テ”を飛ばさず、その代わりに放たれたのは…
2つ目は、ファンに対して「お宝は山分け」の姿勢を貫いてくれたこと。
昨今はどのライブでも、アンコールやシメのネームコールで華やかに銀テープが放たれるのが通例です。
ラストライブの“銀テ”ともなれば、「なんとしても手にしたい」と、ファンの間で争奪戦になることは必至です。けれどテープが届かない席のファンや、配信で参加したファンは、ほろ苦い諦めを抱いてその場を見守るしかありません。
しかし、今回のライブで銀テの代わりに飛んだのは、鮮やかな打ち上げ花火でした。次々と上がる花火に見とれつつ、「敢えて銀テを出さなかった」KAT-TUNの意図を知り、おのずと胸が震えました。
周囲のファンからも、「銀テ飛ばなかったね」「そのほうがいいよ」とささやき合う声が聞こえました。最後の航海で「銀テを取れた人」と「取れなかった人」でファンが分断されることを、KAT-TUNは望まなかったのだろうと思います。
「なるべくファンには等しいお宝を」との思いは、メンバー個々の活動でも垣間見られました。
亀梨さんのファンミーティング「TALK to ME」ではロビーに銀テープの回収箱が設置され、たくさん取れた人が取れなかった人に譲れるような試みがありました。
また、上田さんが主宰したハロウィンフェス「MOUSE PEACE FES.2025」では、入場時にすべての人にお菓子が配られ、「一部のラッキーな人だけがもらえる」ことのないよう配慮してくれました。
皆そろってマリンスタジアムの空を見上げ、同じ思いを胸に刻めたのは、KAT-TUNらしい粋な計らいのおかげだったと思います。



