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時々「近い存在」になる北條史也

 でも北條選手は、時々、“素”をさらけ出して、「近い存在」になってくれます。象徴的だったのは今月4日のヤクルト戦でした。サヨナラの犠牲フライを放ち、ナインから手荒い祝福。全身ずぶ濡れのままヒーローインタビューを受けると、「最後の最後で、性格の悪い中谷さんが顔面に水をかけてきたので、むかつきました(笑)」と言って、“生の声”でファンをさらに歓喜させました。

8月4日のヤクルト戦、サヨナラ犠飛を放ってチームメイトから祝福を受ける北條史也

 先に書いたように僕は3年前に担当記者になったのですが、阪神タイガースにおいて、これ、すごく貴重なシーンです。

 多くは「なんとかランナーを返そうと思ってました!」とか、「勝利に貢献できて良かったです!」と言います。もちろん、これらも紛れもない本音です。でも、北條選手の言葉や話し方には一切の飾りっ気がなくて、それこそ、「自宅でくつろぎながら家族に話している」ような雰囲気でした。

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 阪神ファンにはたまらないシーンだなあ、と思いながらメモをとった事を覚えています。何度も言いますが、プロ野球選手は我々一般人からすればめちゃくちゃ遠い存在です。そんな方々がふいに「人間らしい」一面を見せてくれると、ファンはさらに応援したくなりますよね。これが、僕が分析した北條選手の人気の理由。今後もその「ギャップ萌え」が発動するシーンを、密かに期待しちゃっています。

巻木周平(スポーツニッポン)

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